日本においては東京交響楽団の監督として知られる英国の人気指揮者、ジョナサン・ノット(58)が、2017年より務めているスイス・ロマンド管弦楽団の音楽・芸術監督の任期を更新しました。が、それがとても個性的。
期限が決まってないんですよ。もう一回言いますね。期限が、 決 ま っ て い な い 。
https://www.swissinfo.ch/fre/la-collaboration-entre-jonathan-nott-et-l-osr-se-poursuit/46390932
オーケストラの音楽監督とかそういうポジションというのは通常、3年とか5年とかで区切って契約をして、期限が近づいてきたらまたお互いに話し合いをして、再度契約するかしないかを決めるというのが常識です。しかしジョナサン・ノットにはその常識が通じないらしい。実に面白い。
東京交響楽団の任期を10年伸ばした時も話題になりましたが、今回の、期限を定めずに延長という方式も面白いですやんか。東京交響楽団とのやり方を踏まえて、さらに斜め上を行く方式であると言えましょう。実に・・・おもろい!
カラヤンとベルリン・フィル、もしくはメータとイスラエル・フィルのように「終身芸術監督」とかいう契約は過去にありましたがこちらは「終身」で期限を区切っているのであります。すなわち死ぬまで、であります。しかもカラヤン、メータともに、その身分を全うすることなく退任しているのであります。
任期?決めてへんねん。適当にやるわ、というのが今回の新方式なので、いつ辞めても全く問題がない。最悪、明日辞めたっていいんですよ(さすがに「辞める/辞めていただくにあたっては何日前にとか何ヶ月前に通達」とかそういう条項は入っているとは思いますけどね)。え?なんでやめんの?「喧嘩したから」「飽きたから」「やる気が出ない」「徒歩で世界一周することにした」。なんだっていいんですよ。
これによって、長期的な計画を立てられる、という風にロマンドのウェブサイトには書いてありますけれど、なんなら長期的な計画を建てたとして、途中で投げ出したっていいんですよ。
世界や国内に他に同じようなケースもあるとは思いますけれど、大変にめずらしく興味深く、カジュアルな契約であることは間違いないと思いますよ。今後誰かが同じことを真似するかもしれませんがノットほどに話題にはならないでしょうし、「二番煎じ」という言葉がついてまわるのでいわば諸刃の剣と言えよう。オオモリ・ネギダク・ギョク!!!(吉野家コピペで検索して)