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クリスティアン・ティーレマン、バイエルン放送響へのデビューを語る

ドイツのやばいやつ、そう、カリスマティックでちょっぴりサディスティックなあいつ、クリスティアン・ティーレマン。末尾の”n”なら2個です。わりとそこ重要です。

ってわけわかんない表現してごめんなさい。カリスマ指揮者のティーレマンが今夜、いよいよバイエルン放送交響楽団にデビューします!バーンッ!!

いや、デビューってなんやねん。十分おっさんやんけ(失礼なやつ)。私の「デビュー」という単語に対する理解に偏りがあるので、ちょっと不思議な気持ちにもなるわけなんですが、デビューはデビューだ。デビューするんだよ。バイエルン放送交響楽団に。

バイエルン放送交響楽団というと、ドイツ、ミュンヘンを代表するオーケストラであるのみならず、世界を代表するオーケストラでもあります。いってみたらサッカーのFCバイエルン・ミュンヘンみたいなもんやで。ビールおかわりぃっ!!飛沫ブシャー!!(※決して今はやらないでください)。ああ懐かしのミュンヘン。夜行列車で行ったよミュンヘン。アウグスティナーがまた飲みたい。アウグスティナーは日本では手に入らないのだ。

ティーレマンが今までこのオーケストラを指揮したことがなかったというのはちょっと新鮮な驚き。でも、同じ街に拠点を置くミュンヘン・フィルを指揮して来たわけだから、バッティング的な意味合いもあって、これまで指揮する機会がなかったと言われればそれはそうだ。しかもですよ、初共演のオーケストラは2003年のシュターツカペレ・ドレスデン以来なかったとのことですから、18年ぶりのデビューとなるんだそうですよ。これまたびっくり。

ちなみに日本のオケを振ってくれないかな、とか思われる方もおられるかも知れませんが「よほどのことがなければない」と「まず絶対にない」の中間ぐらいだろうと申し上げておきたい。現実は厳しいのだ。君ぃ、アレックス・ファーガソンが日本のクラブチームを指揮すると思うかい?そういうことだよ。

そんなわけなので、ティーレマンのインタビューがバイエルン放送のサイトに出ているんで読んでください。お願いします。

https://www.br-klassik.de/aktuell/news-kritik/interview-christian-thielemann-dirigent-brso-symphonieorchester-des-bayerischen-rundfunks-100.html

個人的にはこのコメントに唸らされました。「いま(コロナで)稼ぎが本当にひどいことになっている人たちのことがほとんど考えられていないのは悲しいことだ。私自身はドレスデンで固定給をもらっており、さらいくつかの仕事があるので飢えることはない。もし愚痴を言うとしたら非常に高いレベルで言うこととなり、それは他人に対して傲慢だ」。

さらにストリーミングを見ますかという質問に対して「本当のことを知りたい?」と前置きしてから「ほとんど見ない」と言っているのも、さもありなん。理由としてうちのテレビじゃクオリティがちょっと、みたいなことをつらつら言ってますが、結局は「やっぱライブじゃないとあきまへんわ」ということ。聴衆がいる、というその雰囲気が絶対的に必要であって、無観客はだめだ、と結ばれております。

ドイツは劇場が閉鎖されたままになっているので、ますますこのようなコメントとなるのでしょう。「プロだから自分もやるし、うまくも行くんだけど、ずっとこのままでいいというわけではないね」。

プログラムは以下のとおり。

R.シュトラウス:
ウィーン・フィルハーモニーのためのファンファーレ
管楽器のためのソナチネ 第1番 ヘ長調「傷病兵の仕事場より」
シューマン:
序曲、スケルツォと終曲

集客がー、とか考えなくていいからこそのプログラミングだ。今夜のデビューが成功しますことをお祈りいたします。