フィンランドのヘルシンキで5年に一回開催される若きヴァイオリニストのためのコンクール、シベリウス国際は今年の5月開催です。もともとは2020年11月の予定だったところ、一年半延期して2022年5月に開催されます。
一年後、ではなく、一年「半」後としたのはおそらく正解、でなくとも最適解だったのではないでしょうか。「来られませんわ」な人が少ない(であろうと思われる)。今回応募期間が延長されたのは、来られませんわ、の数を減らすためだそうです。やっぱりいけそう!っていう人が増えることを期待している。
延期せずオンラインでやるという選択をした国際コンクールもありますけれど、やはり申し訳ないがオンラインでは盛り上がりに欠ける。収録時の条件も異なりすぎるから、不公平感とまではいかないけれど、モヤモヤ感は消えないし、一体感も出ない(もちろん、やったという選択をしたことは尊重しています。その上で)。
悪いけど、昨年のショパン国際のように現地でうおうお、ってやらないとやっぱりみんなうおうお、ってなりませんもん。インパクトが全然違うよね。うおうおって何のことかわからないけど、なんとなく雰囲気はつかめてもらえると思うんですよ。うおうお。
応募できるのは1990年以降に生まれた人。100ユーロの受験料を払える人、締切は2月23日。いそげ来週の木曜日まで。応募についていえば全部オンラインで完結するから、あわてて準備して。応募は以下URLへゴーだ。
https://www.sibeliuscompetition.fi/en/apply.html
優勝賞金3万ユーロ、1772年製高級グァダニーニも貸与。貸与のための費用を用立てしてくれたのはJane Ngさん。名前読めないけどグ、もしくはングと書くのだろう。大丈夫。我々日本人は鼻濁音には慣れているから。
面白いのは応募にあたっては演奏音源だけでなく、30-60秒の自己紹介ビデオを送りなさいという指定があるところ。英語で、字幕も付けて。これがグダグダだったら落とされるのだろうか。緊張するね。シベリウスの音楽を初めて聴いたときのことも含めてねって書かれていてなんとも愛おしい感じ。愛だよ、愛。そう、アイなノラ(本日の渾身のダジャレ)。
「結局一番やっかいなのはシベリウス」。
ウィーン国立音楽大学のヴァイオリン科の教授ドーラ・シュヴァルツベルクが言ってましたが、シベリウスのヴァイオリン協奏曲は世にたくさんあるヴァイオリン協奏曲のなかでも最高の作品の一つであり、難曲でもある。この作品をバンスカバンスカ(おっとまたオヤジギャグが炸裂したようだ)聴けるっていうんは本当に楽しい。キーンと冷えた雪の日の朝のようなエルサ。氷のドレスでおめかし。
シベリウス国際で過去に優勝、入賞したヴァイオリニストのリストは本当に神々しい。オレグ・カガンに始まり、パヴェル・コーガン、ムローヴァ、カヴァコス、バティアシュヴィリ、クーシスト・・・。
皆様、今年の5月はシベリウス国際の勝者が出ます。要注目。