ヴァン・クライバーン国際コンクールが終わり、前回2017年に引き続き優勝は韓国出身者ということになりました。前回優勝のソヌ・イェゴンが28歳で優勝したのに対し、今回のイム・ユンチャンは18歳。10歳も若いのであります。コンクール史上最年少とのことであります。
ヤフーニュースでも聯合の記事がさっそく掲載されております:
https://news.yahoo.co.jp/articles/31074df33f32b0f079bf9adb4514cef1ac5f4c18
優勝おめでとう!
第1回目のヴァン・クライバーン国際コンクールが開催されたのは1962年、いまから60年前のことでした。ヴァン・クライバーンがモスクワで開催された第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したのは1958年で、当時クライバーンは23歳。その4年後つまり27歳にして自分のコンクールを開催してしまうというのは、いつかも書いたかもしれませんがめちゃくちゃすごいことで、チャイコフスキー国際コンクールでの優勝がクラシック音楽の世界だけではない大きなうねりを生み出した結果であることは間違いがないわけです。
だいたいクラシック音楽のコンクールで優勝したピアニストが凱旋パレードする、紙吹雪が舞う、なんて普通あります?アメリカがソ連に大勝利した、という図式がアメリカの人々を熱狂させたのであります。この写真ね↓チュッチュッチュッ。
こういう図式というか、それに付随する様々な出来事なんかに翻弄されまくった結果、本人はピアニストとしては半ばドロップアウトするというようなことになってしまうわけですが、世に巨大なインパクトを及ぼした、この一点を持ってしても余人を持って代えがたい傑物であるということができましょう。クライバーンの伝記本もめちゃんこおもろいんでお忘れなく。
このヴァン・クライバーン国際コンクール、ところが、ピアノ業界ではお祭り騒ぎみたいにもなるんですが、優勝者のその後のインパクトという意味ではもう一歩、というところもあり、もっとどわーっと行くかというとそうでもないところがやや不思議だなと思っていつも見ているところです。
過去の優勝者で世界的伝説になったのはいまのところルプーただ一人。18歳のイム・ユンチャンがその事例を打ち砕いて巨大なスターとなっていくことに期待したいと思っています!