
今年はどんな年?
ベルリン・フィルのカラヤン・アカデミー創立50周年の年。
なのでした。驚きました。そうかカラヤン・アカデミーは50年も経つのか。今日はカラヤン・アカデミー50年を記念したコンサートがベルリン・フィルハーモニーで開催されるのであります。日本人指揮者の沖澤のどかさんも出演するそうです。すげえ。
https://www.digitalconcerthall.com/de/concert/53856
カラヤン・アカデミーなんぞ?という方のために申しておきますと、若い音楽家たちをベルリン・フィルのメンバーが教える、2年間ベルリン・フィルでも演奏する機会をもらえる、というとてつもないプログラムであります。雑に説明するならレアル・マドリードなどトップクラブチームのユースのようなものであります。
カラヤンって何なの、っていう方のために申しますと、20世紀を代表する偉大な指揮者で、やたら髪型が格好いいじいちゃんです。めちゃくちゃカリスマがあって怖かったらしいですよいろいろな意味で。指揮者としては極めて稀なことに目は閉じて指揮していくタイプ。よく指揮台から落下しなかったな、って思うのは私だけではないと思う。実は時々薄目開けて指揮台の端っこを確認してたんだと思う(失礼なことを想像するやつ)。
カラヤン「みなさん、昨日の演奏は最高でした!さあ、さらにその上を目指し今日もリハーサルしようではありませんか」
みなさん「(ウゲーッ・・・)」
しかし若者を育てる、しかも現場に放り込んで揉みくちゃにする、というのは素晴らしいことで、これ以上ない経験を若者に与えることとなる。なんとなれば事件は現場で起こっているのだから。カラヤン・アカデミーに入ったから、そしてそこで学んだからといってベルリン・フィルに正式に入団できる訳ではありませんが、学んだことは自身の宝となるのです。
カラヤン・アカデミーで学んだ人、全員のリストがベルリン・フィルのサイトに載っています。楽器、国籍、名前、卒業した年、誰が指導したのかが書かれていて、その数は膨大。ここね。
https://www.berliner-philharmoniker.de/akademie/stipendiatenabsolventen/
試しにヴィオラの卒業生を見てみると
クリスチャン・ティーレマン(ドイツ)
1978年4月1日入学
教師:ジュスト・カッポーネ
というお名前がございますし、クラリネットを覗いてみますと
四戸世紀(日本)
1974年3月1日入学
教師:カール・ライスター
とかあって、オーケストラが好きな方であれば数時間あるいは数日潰れるかもしれぬ興味深いリストとなってございます。
カラヤン・アカデミー50周年、おめでとうおめでとうおめでとう!つぎの100周年の頃にはさらにこのリストは膨大になって素晴らしい名前が刻まれていることでありましょう。