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音楽家の移動がまた困難になるのか→安心して、たぶんならない。

JR東海のリリースより

JRが新幹線の来年5月から持ち込み荷物の大きさを制限するようです。

音楽家は楽器を持ち運びます。この点ピアニストや指揮者は恵まれていますね。楽器を運ぶ必要がないから。あと歌手。

ヴァイオリンが税関で引っかかって没収されそうになったりする世の中でございます(ヴァイオリンって、プロのソリストたちが使っているものの多くは数千万円とか億単位でお金がかかる、死ぬほど高価な楽器なんですよね。スマッグル(密輸)やろ、とか税関で担当者が言い出したらなかなか大変)。

また、もう一席座席を買うよう言われたりもします。基準はあいまいですけれど、基本的にチェロは飛行機ではもう一席買う事になっています。こういう場合はCBBG(座席占有手荷物)という名前が楽器用のチケットに与えられます。かならず登場者の隣です。ご飯は出てきません。お値段は、普通に人間が乗るより若干安いですがだいたい同じです。ビジネスクラスに登場されるチェリストでしたら、チェロ用の席も当然ビジネスクラス。そう、チェロは高く付くのだよ。ブルブルッ。

蛇足ですが、CBBGの席は乗客1名に対して1席しか買うことができません。2席必要になることなんてめったにありませんが、昨年クリストフ・コワンを日本に呼んだときはチェロとアルペジオーネを持ってきていただいたので、やや問題になりました。一緒に来日したヴァイオリニストに頼んでその隣に置いてもらいました。

さて、JRが新幹線の荷物を制限するニュース。こことか見てね。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190829/k10012055581000.html

おおお、これは、どうしてこういうことになるのでしょうか。3辺の合計が161cm以上ってチェロは確実にひっかかりますね。けっこう面倒くさいですね。予約は無料、ただし予約していないと1000円を取られるらしいです。

昔ベルリン・フィルのチューバ奏者パウル・ヒュンペル氏とツアーしたことがありますけれど、そのときチューバはハードケースに入れていて、新幹線に乗るときはデッキとかにガーンと置いていました。いまどきはそういうのも難しいのだろうか。(今の所チューバやコントラバスと一緒に移動するようなツアーはMCSにはありませんけれども)

JR東海のリリースはこちら:
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000039918.pdf

ってことで電話してみました。JR東海のサービス相談室。そしたら「楽器に関してはこの規定は適用しない予定である」との回答でしたので、大型の楽器をお持ちの方とりあえずご安心ください。でもあくまでも予定であって決定事項ではないみたいなので、この規定が適用される来年の5月前にもう一度確認したほうがよさそうですなあ。

安心してたら普通にスーツケースがでかすぎて引っかかるなんて事態もありうるかもしれないので注意が必要。そう、旅はコンパクトに。荷物が少ない人大好きやで♡