「名曲誕生の裏事情」という本が来週木曜日に発売になります。これは2020年12月に出版された「歴代作曲家ギャラ比べ」という本の続編でして、歴代作曲家ギャラ比べ2という副題がつけられております通り、お金にまつわる話にフォーカスしています。
前作は、作曲家とお金の話。では今回は?「作品とパトロン」に焦点を合わせ、作品の誕生にあたってはどういうお金の動きがあったのかなかったのかなんていうことを書きました。作品が生まれるにあたって金銭的精神的に支援したパトロンは誰で、その作品にはどれだけのお金が支払われたのだろうか、そういうことをできるだけ調べまして、書きました。
前作はバッハとヘンデルつまりバロック後期から入りましたが、今回はグレゴリオ聖歌から始まり、中世、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、近現代まで行きます。全部で46曲(グレゴリオ聖歌も1とカウント)を採り上げていて、なかなかボリューミーなことになっております。
クラシック音楽のパトロンたちは誰だったのか、どれぐらいのお金を出したのか?もちろん前作同様、出てくるお金はすべて現代の日本円に換算して書かれています。現代の日本円で書くことで、具体的に金銭の多寡を直感的にイメージしていただくためです。
そしてこれも前作同様、QRコードを読み込んでそのままスポティファイで音楽をお聞きいただけます。また本文には入れられなかった逸話なども脚注で下にズビズバ入っていますので、脚注も雑学程度にお読みください。
なんとなれば私は昔から雑学がそこそこ好きで、なんでかなーと考えてみましたら、米子(鳥取県米子市=よなごし)に住んでいた父方の祖父。祖父も雑学が好きだったなと思い至ったのでありました。遺伝か。毎年夏休みなんかに米子に帰省すると「じゃあ海のない県はどこだ?」などとクイズを出されて答えた(覚えさせられた)のを覚えています。「ははは、そうだそうだ。せいかい!」皆さんは今でもスラスラと、海のない県を全部言えるかい?
本作も、クラシック音楽の深い知識がない方でもお楽しみいただけるように心がけました。専門用語、ジャーゴン、隠語、特殊用語、スラングそのほかはできる限り用いないようにしてあります。「・・・そこでアウフタクトはアウフヘーベンし、ほとほと困惑した私はビッテ・アレ・アインシュタイゲンと低く叫ばざるを得なかった。」そういうことです(どういうことや)。難解な言葉を駆使して読者を煙に巻くのは今回も放棄し、アクセスのしやすさ、そして爽やかな読後感、読んだ後に少しばかり頭が明快になった、ちょっと自分賢くなったかも、そのように思っていただける本を目指しました。
「名曲誕生の裏事情:歴代作曲家ギャラ比べ2」(学研プラス)は税込み1980円。6月9日木曜発売となります。ご予約は以下から。皆様どうぞ楽しんでお読みください。