ちょっと何言ってるかわからないと思うんですよ。一瞬「どういうこと?」って思ってしまいますやんか。でもこれがパンデミック時代の新しいコンクール様式。本当か。本当です(まじで)。
エリザベート王妃国際コンクールはただいま絶賛セミ・ファイナルが開催中で、本日ファイナリストが発表になります。正確には日本時間の明日早朝に発表されるでしょう。そのセミ・ファイナリストとしてただいまブリュッセルに滞在中の韓国人ピアニスト、キム・スヨンが、モントリオール国際コンクールの優勝者に、つい数時間前、決定した!!うわっ、うわーーっ!!
モントリオール国際公式:
https://www.concoursmontreal.ca/en/
コンクールかけもち。
ええんか、とか思われるかも知れません。ええんやで。そんなこと言ったら中学入試だってかけもちできます。ただ単に入試の日程が重なったら同時に受けることはできないってだけ。モントリオール国際が今年はオンラインコンクールとなり、事前に提出した映像で審査されたためこういう現象が起こったわけだ。実におもしろい。
しかも賞金が“激烈高額”なのに私はのけぞりましたね。近年、世界の音楽コンクールの賞金は上昇傾向にあると感じていますが、この賞金はとんでもない。18万カナダドル(1,625万円ぐらい)ってなんなん。いや、全部キャッシュでもらえるわけではなくて「モントリオール響と共演できる」とか「リサイタルツアーのギャラ」とか「録音できる、その費用」とかそういうのも含まれるわけですが、それにしてもですわ。実に・・・羨ましい!
そしてエリザベート国際の結果にも要注目か。これでもし優勝なんかしちゃったらもう無敵。オンラインでオフラインでと快刀乱麻、文字通りの「二刀流」で大谷翔平超えや!!(大谷選手すごすぎ)
それでは気になる彼女の、モントリオールで優勝を決めた演奏をご覧ください:
エリザベート国際のセミファイナルの抜粋動画はこれ↓(ラヴェルの《スカルボ》から3分):必殺!画面4分割が実に気持ち良い。
ところで「コンクールの事前のテープ審査に自分の録音ではなくルービンシュタインの録音を送ったら落とされた」というジョークがあります。いま時代はデジタルなので、動画を自分で撮って(もちろん編集は不可)、それを提出することになっているわけですが、彼女が優勝を獲得することになったこの動画あるいは予備審査用に提出した動画ををまったく別のコンクールの予備審査用に提出したら・・・・どうなる?(まさか落とされたりして)。