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トラックに腕を轢かれたチェリスト

「生きてるだけで丸儲け」とも言いますけれど、人生はいつなにが起こるかわかりません。今はいろいろ気をつけていてもコロナにかかって重症化するかもしれないし、歩いていたら頭上から鉄筋が降ってくるかもしれない。飛行機に乗ったら落ちるかもしれないし、川遊びをしていたら溺れるかもしれない。考えすぎると何もできなくなりますけれど、ふと不安になって眠れなくなるようなこともありませんか。私はあります。

2019年10月に英国人の若いチェリストに起こったことも、まさしく不運。こういった事故は自分自身の注意だけで防げるものではないので、単純に「気をつけましょう」というわけにもいかないし、毎日四六時中おっかなびっくり生きるというのもどだい無理な話ですが、このような恐ろしい事故に遭うことがないよう、可能な限り意識は高く持っていたい。我が家のチビっ子たち、周りを見ずにパーッと走り出すのとか、本当に怖い。

ローラ・アームストロング(25、上写真は事故に遭遇する前の写真)は事故当時、ロンドン王立音楽大学で修士号を取得してから3週間がたったばかりだった。フリーのオーケストラ奏者としてハレ管などでマーク・エルダーやオリヴァー・ナッセンの指揮で演奏していたし、北欧やシンガポールへのツアーにも出かけていた。

友人のところへ行くため自転車で自転車専用レーンを走っていた所、左折するトラックに巻き込まれ、右腕を轢かれてしまった(英国は日本と同じ左側通行なので左折時の死角が広い)。腕は切断寸前だったが、何回かの緊急手術の結果、切断は免れた。右腕の感覚は今でも一部が麻痺しており、完全に戻ることはないと言われている。チェリストとして今後活動できるかどうかはわからないが「音楽は自分にとってとても大切なものなので、これからも頑張っていきたい」と語っている。

より詳しい内容、写真は以下URLにありますが、ショッキングな内容を含みます。

https://www.standard.co.uk/news/london/cellist-fears-for-career-after-horror-lorry-crash-b939866.html