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ニューヨークのメトロポリタン歌劇場、今年9月の再開に向け大きく前進

アメリカのクラシック音楽団体は演奏を徐々に再開しつつあります。大リーグはフルで観客入れてオッケーになってる。私はオータニサーン!の活躍に頬を濡らす毎日ですよ。

そんななかアメリカのオペラの殿堂、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場は来シーズン(2021-22シーズン)の再開は事実上不可能なのではないかと言われてきました。理由は直接的なコロナではなく、コロナに伴う賃金カットに対して激しい抵抗があったから。

どうもメトに関係する組合は3つある模様ですが、30%ぐらいカットせなあかんやろ、とする経営側に対して、そんなんだめやろそもそも俺らには何ヶ月も給料の支払いなしやぞ、と組合側は強気の姿勢で臨んでいた。しかしこのたびどうやら①舞台関係者の組合、および②合唱とソリストなんかの組合との合意に至ったようで、これにより9月末の再開に大きな現実味が出てきたということの模様であります。おお!

https://www.nytimes.com/2021/07/04/arts/music/metropolitan-opera-local-one-deal.html

https://operawire.com/breaking-metropolitan-opera-iatse-reach-deal-ahead-of-2021-22-season/

結果的に舞台関係者の賃金カットは30%ではなく3%、年金のカットが4.5%ということだそうです。30から3って、カット目標のわずか10%にしか届いてないけど経営は大丈夫なんか。詳細は今週発表になるとか書かれていますけど、実際の中身はどうなってるんやろうか。

グレートなアメリカなんで、小幅なカットでもなんとかなるのか。いや、なんとかしてほしいところではありますが、今後集客が超絶低迷して収入が壊滅なんてことにならなければいいのですがっていうか集客なんて関係ないぐらいに寄付金が集まっていればいいのですが。

ニューヨーク・タイムズによればもう1つ、合唱団やソリストなんかが所属する「アメリカ音楽芸術家組合(American Guild of Musical Artists)」っていうのとも交渉が済んでいて、その内容と言うのが、健康保険がメトのものから組合のものへと変更され、合唱団のレギュラーメンバーの規模が縮小される、とある。メト側としては健康保険にかかるお金が減るし、一人ひとりの賃金カットの割合は低くとも、出演する合唱メンバーの数が減る?ということは、そもそも賃金が発生しない人が出る=全体としてわりと大幅な出費抑制、ということなんかな。だとしたら切られた人がかわいそうなことになるのではと思うんですがどうなんでしょうね。

あと残っているのはオーケストラ組合との交渉。これはまだ続いているようです。