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佐渡裕、合唱無しでヴェルディのレクイエムを演奏(グラフェネッグ音楽祭)

オーストリアのグラフェネッグ音楽祭はウィーンの近くでやってんねん。車で西へ1時間弱。メインのオーケストラは地元のトーンキュンストラー管、会場は屋外です。ぐにゃっと傾いた風変わりなステージをみたら、ほー、変わっとんな、という感想を持たない方はおられないでしょう。

わりと最近できた音楽祭で、私も過去に一度だけこの音楽祭の関係の仕事に関わったことがありますが、それは和太鼓の林英哲さんが参加する時でして、音楽祭が出来てまだ2回目とかそれぐらいだった気がする(あいまいな記憶で申し訳ありません)。

今年の音楽祭のコンポーザー・イン・レジデンスは細川俊夫氏ですが、隔離などの制限につき都合がつかずご参加はされていないそうです。

・・・だがしかし!オープニングコンサートがいきなり変更。ヴェルディ《レクイエム》を合唱無しで演奏したというからもうこれはコロナだなと思わざるを得ないし実際そうだったみたいだし、残念ですがしょうがないですかねやっぱり。

https://www.grafenegg.com/en/programm-tickets/festival-opening-2#2021-08-13-19h30

リハーサルの前の検査で合唱団(=ウィーン楽友協会合唱団)のメンバー1名のコロナ陽性が発覚した。合唱団は全員2回ワクチンを受けていた、そして予防措置を取っていたにも関わらず陽性だったそうですが、今後もこういうケースはバタバタと出てきそうなだけに、なんとも言えない気持ちになります。

地元の衛生当局と話あった結果、合唱を含む一部をカットして演奏した模様。公式サイトには「合唱なし、IntroitusとSanctusとをカット、Libera meを短くした」と書かれていますけど、その他の楽章については合唱不在で演奏したということですか。どういう風に響いたのか。なお、演奏時間が短くなった分、急遽《運命の力》序曲も演奏したとある。

陽性者が出たら速やかに地元の衛生当局に報告、相談をし、可能な限り速やかに公表の上で変更が必要なら変更して実施(実施出来ない場合は中止)、というのが、海外でも日本でも、今後しばらくはコロナ陽性が出た際の唯一の方策でありましょうか。いろいろ厳しいですが、ウィズコロナとはこういうことなのか。

「出演者、聴衆、関係者の安全と安心が第一」です。棒読みはだめです。