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古楽アンサンブルがワーグナーを演奏する日

長生きはするもんだねえ、こんな日が来るとはねえ。・・・いやいや、もっと長生きしてくれよおっちゃん!

どういう会話や。なんやなんや。

コンチェルト・ケルンという古楽アンサンブルは日本でも知られている。ドイツの古楽アンサンブル御三家の一つ、とか言うと「またまた日本人の好きな3大なんとかか」とか揶揄されちゃったりなんかして、そうなると豆腐メンタルな私は豆腐の角に頭を打ち付けて気絶したくもなるというものだ。ああどこでもドアが欲しい。

最後の一文はどうか無視して欲しい。

さて、コンチェルト・ケルンがワーグナーをやるらしいというのは前から読んで知っていましたが、いよいよそれが迫ってきたということでレブレヒトさんのブログで紹介されていました。この企画↓

https://www.concerto-koeln.de/konzerte/wagner-lesarten-das-rheingold.html

https://wagner-lesarten.de/

そもそも古楽アンサンブルは、いわゆる「普通のオーケストラ」よりもずっとサイズが小さい。それは歴史的に大きなオーケストラが出来てくるのが19世紀以降ということとも関係があるわけで(何を基準に「大きいオーケストラ」とするかはいろいろ考え方があると思うけど)、そんなわけなんでコアとなる正規メンバーを置きつつ、プロジェクトによって大きさを自由に変える。つまり必要に応じ自分たちのやり方に共感してくれる仲間を募って演奏してもらうってことをフレキシブルにやっているのです。この時点でいわゆるオーケストラとは考え方が大きく異なっていることがわかるでしょう。

外部から人を大勢呼んできてもいいのだ。発想はできるだけ自由に。だから・・・古楽アンサンブルがワーグナーをやったっていいじゃない?別に古楽が好きだからワーグナーを好きになっては行けない理由はないし、モンテヴェルディのマドリガーレを演奏したすぐ後にヴォーン・ウィリアムズを弾いたってよろしんではないの。なんならモツレクのど真ん中にリゲティをキメたっていいんだよ。誰がダメだって言ったの?あなたの頭の中がそう決めているだけでは?・・・・ということです、おそらく。

コンチェルト・ケルンのメンバーだけではとてもじゃないがワーグナーを演奏することはできないので、足してやるのです(それでもできるだけ少ない人数でやるのだと思いますが)。それをコンチェルト・ケルンと呼んでもよいのか?そもそもワーグナーに古楽アンサンブルは適するのか?サックバットやヴァージナルやリュートでワーグナーを・・・?

少なからず新鮮な響きはするだろうし、古楽で培った技術や経験を活かした面白い演奏ができるかもしれない。さらに言えば、なんやあの人ら変なことやってんね、と目立つ。そういうの、重要です。

古楽器奏者にしたって、ワーグナーを演奏することで得ることがあるだろう。指揮者はワーグナーを振ってきた経験を持つケント・ナガノでありますから、刺激的な何かが生まれるかもしれない。ケント・ナガノ自身「現在の演奏や作品、作曲家に対する理解は30年前40年前とは大きく異る、それは古楽器や歴史的アプローチのおかげだ」ということを言っているんだし。

今回は《ラインの黄金》ですが、時間をかけて「指輪」全4作をやるつもりのようです。やがて将来的にはジョン・アダムズを古楽器で、トーマス・アデスをピリオドアンサンブルでということも起こりうると思う(それはさすがに違うやつや)