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キエフから避難した7歳の女の子がスタジアムで国歌を歌う

3週間前に防空壕でレットイットゴー(アナと雪の女王)を歌った動画が拡散された7歳の女の子がいます。その子はいまポーランドに避難していて、先週ウッジ(もしくはウッチ、ワルシャワから西へ車で1時間半ぐらいのところ)のスタジアムで13,000人の満員の聴衆を前にウクライナ国歌を歌いました(上はキャプチャ画像です。映像はこのページの少し下にあります)。 

ポーランドにはおよそ200万人ものウクライナ人が難民として押し寄せていて、今後どうするか大きな課題となっているようです。200万人とか凄まじい数です。人道支援とただ叫ぶだけでは全く間に合わない。ハンガリーにも大量の難民が押し寄せていて、ブダペストのリスト音楽院においても避難してきた学生の受け入れなどで大混乱しているという話も聞きました。

彼女が出演したのはポーランドの人道支援の一環としてウッジで先週日曜日に開催された「トゥギャザー・ウィズ・ウクライナ」コンサート。観客がライトを持っているように見えるのは主にスマホの懐中電灯機能を使ってということらしく、スマホにこういう使い方があったかと感動いたしました。このコンサートだけでなんと650,000ドル(およそ7800万円)を超す寄付金が集まったそうです。

彼女の歌い終わったあとの自慢げなお辞儀はとても印象的。ウクライナ始め多くの人に励みとなることも間違いがない。ただ、ABCのアナウンサーも笑っていますが、複雑な笑み。彼女は拍手をもらって嬉しいだろうが、ステージから下りれば辛い現実が待っているから。

そして擦り切れてしまって斜に構えてしまう私のような人間は、悪い人間に利用され金儲けのタネとされてしまわないかも心配するところ。どうか幸せな生活を送ってほしい。遠くにいて無力な私に言えるのはただそれだけ。

彼女は祖母に連れられ、兄弟(もしくは姉妹)とともにウクライナを脱出。両親はキエフに残っていたが、コンサート数日前に母親も無事にウッジへ。父親は今もキエフにのこっているとのことです。