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ブルース・リウがドイツ・グラモフォンと契約

いつも忘れるんですけれど、世界ピアノデーっていうのがあって、ピアノの鍵盤は88鍵あるので、1年が始まってから88日目をそのように称するのである。

3月29日ですね。うるう年の時は、1日ずれますね。まだワクチンのせいで頭がぼんやりしているのでどっちにずれるのか難しくて、ああ考えられない(怠惰すぎる)。

その世界ピアノデーに合わせて、ブルース・リウがドイツ・グラモフォンと契約を結ぶという発表がベルリンでございました。おめでとうございます。むしろ遅かったぐらいですかね。カナダ人がショパンコンクールに優勝したのは史上初のことでした。グラモフォンから録音をリリースする若いカナダ人ピアニストというとヤン・リシエツキがいますけれど、リシエツキはポーランド系。ブルース・リウは中国系。

https://www.deutschegrammophon.com/en/artists/bruce-liu/news/deutsche-grammophon-signs-bruce-liu-on-world-piano-day-265967

前回のショパンコンクール優勝者チョ・ソンジンはグラモフォンに大金をもたらしたわけですが(韓国でバカ売れ)、中国系とは言え、パリに生まれたカナダ人であるブルース・リウのレコーディングがどれだけ売れるのかは、下世話で申し訳ないと思いながら、わからない。中国という市場にどれだけ受けるのか、そこがまだ見えませんが、大ヒットを飛ばしてくれることを願っております。市場が活性化するのはいいことだ。

最初のアルバムは生まれた都市パリに関係のある作品ということで、ショパンやラモー。2枚目はチャイコフスキーの協奏曲第2番。

この選曲はかなり関係者を悩ませたに違いありません。最大限に売れることを目標にしたいレーベル側としては本音としてはオールショパンがほしかったところでしょう。しかもパリにゆかりの作品でと言われたらドビュッシーとかラヴェルとかを入れてほしいはず。それがラモー(ラモー最高やけどな)。ショパンが入っているのはなんとか交渉して入れてもらった感じか。

そして2枚目はチャイコフスキーの協奏曲、しかし第2番という、地味でマイナーな作品をぶっこんでくるあたりに本人の強いこだわりを感じる。これは1980年代、90年代ぐらいまでだったらおそらく絶対に許されなかったであろう。「1番にしてほしい」という強い要求をはねのけたのだ。すごいな。まさにいま出てきたピアニストならではの選曲といえましょう。

なおチャイコフスキーのピアノ協奏曲2番は第1楽章の壮絶なダサさにガクッとくるんですが、そこで止めるのを我慢して第3楽章まで行くと楽しくて愉快な音楽がやってきますんで35分我慢して待ってて。そり滑りみたいな感じで愉快な曲ですよ(とは言え私が最後に聴いたのは15年ぐらい前とかか)