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ウクライナのドラマティック・ソプラノがカーテンコールで国旗をまとって登場

ウクライナのスーパースター、ドラマティック・ソプラノのリュドミラ・モナスティルスカが先週土曜日、メトロポリタン歌劇場に出演しました。彼女がメトロポリタン歌劇場に出演したのは2017年以来5年ぶり。

https://operawire.com/soprano-liudmyla-monastyrska-makes-political-statement-following-turandot-at-metropolitan-opera/

歌ったのはトゥーランドット。「誰も寝てはならぬ」が突出して有名ですけれど、ゴーゴー!ドッコラショ(わかる人だけわかって)みたいなピンポンパンっていう人らも出てくる愉快で(愉快で?)豪勢なオペラです。もちろんモナスティルスカが歌ったのは主役のトゥーランドット姫。この出演はメトロポリタン歌劇場との契約がなくなったアンナ・ネトレプコの代役としてです。

そしてカーテンコールではウクライナの国旗を身にまとって出てきたのであります。オリンピックの競技の後に勝者がそうするように、愛国心の現れとして。そしてそれに拍手や喝采を贈る人々は、歌唱の素晴らしさへのジャスチャーおよびその愛国心への強い敬意を込めて。

オペラ歌手が国旗を身にまとってカーテンコールに出てくるなどということはめったにないこと、異例なことではないかと思います。なので、ニューヨーク・タイムズ紙も「ウクライナの国旗を身にまとって現れるという鋭いメッセージを発した」と書いているのだと思います。舞台裏で「やってもいいかしら」「行け、行け!」的な会話があったと思うんですよね。いやもしかしたら「やめとけ」「いーや、着る!」だったかもしれない。あくまでも個人的かつ希望的な想像に過ぎませんが、どちらかというと前者だったのではないかと信じたい。

カーテンコールの実際の動画を上げている人がいました。彼女が国旗をまとって出てくるのは動画の8分過ぎたところあたり。面倒くさがりな方のために↓の動画をタップしたら8分から再生されるようにしといたから。メトロポリタン歌劇場も大熱狂や!(多分動画撮ってる人の声だと思うんすけど、叫びすぎで最後声枯れてて微笑を禁じえない)

マルコ・アルミリアートも満面の笑みや!!・・・っていうか日本もそろそろブラヴォー解禁しようぜ!!

公演前のインタビューでは「少しでも力になりたかった」と語り、両親、息子、そして弟(兄かも)がまだウクライナにいて、「毎分毎秒、彼らのことを考える」と語ったそうです。

モナスティルスカは来シーズン再びメトロポリタン歌劇場にトスカ役で出演することが決まっているとあります。