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超高額ビルギット・ニルソン賞2022はヨーヨー・マに(約1億2822万円)。

世界で最も高額なクラシック音楽の賞は何?

はいっ!ピンポーン!正解は・・・・

越後製菓!!

正解はビルギット・ニルソン賞です。なんとその金額は100万ドルというからすごいではないですか。1億円を越してきます。円安が不安なほどに進むいまならば、1億2822万円ぐらいの価値がございます。

https://birgitnilsson.com/prize/en/home-birgit-nilsson-prize/

ビルギット・ニルソン(1918-2005)は若い方はご存知ないかも知れませんが、世界でも最も有名なソプラノ歌手の一人で、スウェーデン出身で、20世紀の半ば頃に大活躍した人物です。電気、いえ、伝記本もあるよ。なかなかあけすけなことが書かれていて、やっぱ音楽の世界ってのもいろいろエグいよなと思いながら読んだ記憶がございます(性格悪い)。

あまりに巨額なためかどうか、毎年ではなくて隔年、それも安定的ではない。金銭面での供給の目処がたった段階で選考するのでしょうか。なんとなくやる気が出たらやるのか、それともこの方に差し上げたいと思ったらやるのでしょうか、それとも(以下略)。

過去の受賞者は以下の通り:

2009年:プラシド・ドミンゴ(テノール)
2011年:リッカルド・ムーティ(指揮者)
2014年:ウィーン・フィル(オーケストラ)
2018年:ニーナ・シュテンメ(ソプラノ)
2022年:ヨーヨー・マ(チェリスト)

なんで歌手の作った、歌手や歌手にまつわる人々のためっぽい賞がチェリストに、と不思議な気持ちになりますけれど、なんかちゃんとした理由があるのでしょう。

財団のウェブサイト見てますとおもしろいことが書いてありました。ビルギット・ニルソンは自分のキャリアの形成にとても苦労した、なので、若者のための奨学金を作って支援した。で、自分自身の長いキャリアの終わりに、音楽へ大変貢献した人物を称える国際的な賞の設立を思いつき、財団を設立すると自分自身の資産を投じて100万ドルの賞を創設した。

ほんで、最初の受賞者はニルソン自身が賞の基準を定め、第一回目の受賞者の名前を封筒に入れて、自分の死の3年後に封筒が開封された、そこには、こう書かれていた。プラシド・ドミンゴ。

ほえー。なるほど、私財を投じているのか。100万ドルを何回も提供できるほどお金を持っていたのだろうか!すげえ!!で、気になる審査基準も教えて差し上げますね。

必須条件:

・賞は2人に分配されることがある(50万ドルでも超高額やぞ)。
・同じアーティスト、団体に2度以上授与されることはない
・非の打ち所のない音楽性と表現力、解釈、作曲家のために尽くすという揺るぎない姿勢
・歌手の場合は声そのものの美しさ
・可能な限り20年以上の優れた演奏実績と特徴的な演奏スタイル
・契約を守り、約束を守る徹底したプロフェッショナリズム

以下は望ましい基準:

・マスタークラス、トレーニング、個人指導など、自身の経験を共有する手段を用いて若いアーティストに積極的に関心を抱いていること
・政治的ではなく人道的な活動をしていること

以下は除外される判断基準:

・性別、国籍、民族、信条、政治的理念

なるほど。

次回の受賞者が果たして誰になるか、いまここで予想してみるのも面白いかも。そうですね、歌手(スペイン)、指揮者(イタリア)、オーケストラ(オーストリア)、歌手(スウェーデン)、弦楽器奏者(アメリカ)と来ているんで、次は学校とか、どうでしょう。ではわたしから、えー、コホン・・・英国王立音楽院(イギリス)に一票!!

4年後の自分、見てるぅー?