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アンジェラ・ヒューイットのピアノ、ぶっ壊れる。

まさか地球の裏側でこんなブログに採り上げられようとはご本人も思ってもみなかったことでしょう(すいません。って謝ることでもないけど)。

アンジェラ・ヒューイットは数少ないカナダのピアニストです(すいません。って謝ることでもないけど)。バッハ弾きとして知られていることもそうですが、もう一つ彼女の特徴は、Fazioli弾きであるということ。

もう長い間Fazioliを演奏していて、日本でもやっているバッハ・オデッセイ (もうすぐ最終回ですね!ご関係者の皆様、本当にお疲れさまでした!) でももちろんFazioliだぜ。

いまマラソンの世界ではナイキのピンクの靴が話題大沸騰ですが、関係者がこぞって切磋琢磨した結果素晴らしい靴が出来るのだ。楽器もそうやって各社が更に切磋琢磨してこれからも次々と素晴らしいものが生まれるといいなと思っております。偉そうに申し訳ありません。

ピアノの場合は革新って言われてもってところはあるのかもしれませんけれど、どやー!!みたいなすげえ技術革新が生まれたらすごいっすよね。・・・・つっても連打がしやすい、とか、めっちゃくちゃに鍵盤が軽い(重い)とかそういうぐらいしか、想像力の極めて貧困なわたしにはアイデアは思い浮かびませんが、伝統と革新のバランスをとりつつ、新たな世代の楽器がまた出できたら嬉しいと思うところでありまするちょびんずる。

また意味不明に前置きが長くなってしまいましたが、アンジェラ・ヒューイットの楽器がぶっ壊れたそうです。まじかよ。大変残念なことです。壊れたのはもちろんFazioli。ベルリンで録音の後に運ぶ最中に輸送業者がうっかり落っことしたらしく、修復不可能。お写真はございませんが、金属フレームもいかれているそうです。しかも最近ハンマーと弦を代えたばっかりというから悲惨だ。こういう悪いタイミングで事故というものは起こるんですよね。2003年から使っていた楽器だそうです。17年戦士や。

https://www.classicfm.com/artists/angela-hewitt/mourns-fazioli-piano-smashed-by-movers/

ヒューイット本人の投稿はこれ

ランニングシューズやテニスのラケットと違い(なぜ両方スポーツの道具?)、ピアノは鬼のように高額なため、ほいほいと代えられません。2000万円するよとか言われた日にはそりゃあ、1週間に一回交換ね、っていうのはおろか、1年に一回の交換もないし、10年に一回ぐらいの出会いで交換するとかしないとか、いっぺん買ったら一生物、とかそういうレベルでございます。毎週ピアノ替えるっていうお金持ちが居たら教えてほしい、たかりに行くから。レッツたかり!!

真面目にヒューイットご本人の悔しさ、悲しみはいかほどのものであろう、そのように想像いたします。

アンジェラ・ヒューイットの最後のコメントが泣けるやんか「私のピアノが天国で幸せに暮らしますように」・・・・ピアノは生物ではないし、そもそも天国ってものがあるかどうか確認できた人間はいないし今後もいない、とかそういう野暮で冷たいことは、今日に限っては言っちゃダメよ。ぶっ叩くぜよ(暴力はいけない)。