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ザルツブルク音楽祭のスタッフ、陽性

1名で大騒ぎするのはおおげさ、針小棒大、なのかもしれません。

しかし気になるのは気になります。東京で昨日224名という数字も、全国でじわじわと数が増えているようなのも、新宿の小劇場で感染者が出た(出演者1、観客1)というのも、やっぱり気になりますから。

政府を動かし、大臣のすげ替えまでして開催を強行するザルツブルク音楽祭ですが(今年は100周年だからなんとしてもやりたい、という気持ちはわからぬでもないですが)、昨日、コロナ感染者1名が出たそうです。まだ音楽祭は準備期間なので、スタッフが発症した、ということです。症状は極めて軽く、喉が痛い程度。

https://operawire.com/salzburg-festival-employee-tests-positive-for-covid-19/ 
https://slippedisc.com/2020/07/salzburg-festival-first-covid-case/

感染者は女性のtemporary employeeとあります。つまりバイトもしくは有期雇用の方ですね。職についたのは6月18日、その時のPCR検査では陰性だったが、症状が出たっぽいという申し出で発覚、2m以内15分以上の濃厚接触者5名が検査を受け、陰性だったが14日間の隔離に入ったそうです。この6名の不在による(準備の)影響はない、とのこと。この女性がザルツブルクの人なのか、別の都市に住んでいた人なのかなどの情報はなさそうです。

ザルツブルク音楽祭はヨーロッパでも先陣を切って大胆な内容で開催を予定しています。8月1日から31日まで。「ザルツブルク音楽祭は内容を変えるが決行」っていうのは一つの指標となり、ザルツブルク音楽祭がやるのなら、という雰囲気も各地で形成されつつあるかと思います(ただしどこも大幅に客席は縮小される=大幅な減益)。

しかも驚くなかれ、ザルツブルク音楽祭はオペラもやるんすよ。2つ。もちろんウィーン・フィルで。

《エレクトラ》=超巨大オーケストラ(116名必要)
《コシ・ファン・トゥッテ》=長い(カットなしなら正味3時間)

https://www.salzburgerfestspiele.at/en/p/elektra
https://www.salzburgerfestspiele.at/en/p/cosi-fan-tutte

それに加えてなんと《第九》の屋内での上演も予定されているのです。ウィーン・フィル、ムーティ。8月14、15、17日の3公演。祝祭大劇場。合唱はウィーン国立歌劇場合唱団。

https://www.salzburgerfestspiele.at/en/p/vienna-philharmonic-muti

第九を屋内で、観客を入れて。お客が入るということは、ホール全部を使ったジュネーヴでのノットの第九とちがい、舞台上にオケ、合唱団の全員が乗るという状態になる。これはコロナ後世界初のチャレンジでしょうか。もしかすると初チャレンジではないかもしれませんけど、世界の音楽関係者が注目する(ひいては世界中の音楽ファンの感情や行動にも影響し得る)、という意味においてビッグチャレンジ。

お客は大丈夫なのか、いやむしろ演奏者、合唱団は大丈夫なのか。

コロナ?絶対にかからないから大丈夫、と思っている人はいないはずで(実際に感染者が出たわけだし)、「コロナにかかってもいい。何が何でもやる。」という総意がなければ出来ないと思います。

スタッフ1名が感染したぐらいでは音楽祭の開催は揺らがないのでしょう。