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ザルツブルク音楽祭の斬新なコロナ対策独自ルール「スタッフパス色分けの術」

ザルツブルク音楽祭は8月1日から

ザルツブルク音楽祭は規模を縮小しつつ、来週から1ヶ月間開催されます。縮小とはいえ、オペラも2つあり、そのへんの音楽祭より規模がでかかったりする。で、以下新しい記事が出ました。ブルームバーグ。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-07-20/can-theaters-be-safe-during-coronavirus-salzburg-festival-plans

これによりますと、同音楽祭では複数の専門家や医者との協議の結果、ソーシャルディスタンスに関する独自ルール「スタッフパス色分けの術」が導入されたそうです。・・・なんですと?

スタッフの色分けとはどういうことか。出演者およびスタッフを危険レベルに応じて3段階に分ける。スタッフパスは色分けされたものを着用。ぱっと見てその人がどのレベルに属するのかが誰からもわかるようになっている、というもの。なんか複雑な言い回しがされていますが、多分下の理解で間違ってないと思う。

:ソーシャルディスタンスを保てないし、マスクもできない人
オレンジ:ソーシャルディスタンスを保てないが、マスクは出来る人
黄色:ソーシャルディスタンスを保てるしマスクも出来る人

●マスク着用を再び義務化 オーストリア、感染増(7/22)
https://www.47news.jp/medical/5043209.html

マスクは3日前から再び義務化されたようですが、赤の人は例外になるのでしょうか。なるんでしょうねきっと。

赤に属するのは誰かについて具体的な言及はありませんけれど、歌手、合唱団、管楽器奏者、あたりが該当すると思われます。例えが悪いかもしれませんが、赤タグぶら下げてる人はカラフルな毒蛇とか毒ガエルとかと同じで、危ないよ危ないよ、と自ら警告を発してるっていうことです。怖いと思うなら赤には近づかないで。あっ、けんちゃん触っちゃダメ!絶対!

けんちゃん、あれは毒があってね、触るとお手々が腫れちゃうの、わかった?泣いてないで、ママとお約束して!!

そしてここがポイントなんですけど、赤タグはつける人たちもどうやら自己隔離不要らしいんですよ。つまり赤いスタッフパスを外しちゃえば、接触の記録はする必要はあるけれど、誰にも知られることなく市内をウロウロ出来る(考えにくいことですけれど、赤いスタッフパスの常時着用が義務化されているのかもしれません。しかしそれを誰もが守るとは限らない)。

感染やクラスターが発生した時の対応は明言せず

音楽祭側は、感染が出た場合どうするという質問に対し「様々なシナリオを想定し不測の事態に備えた計画を持っている」とまでしか述べておらず、明確な回答は出していない。すなわち「感染なしで行きたいからよろしく」。

明確な指針を出さないのは、万が一感染が拡大した際、東京アラートみたいにグダグダにせざるを得なくなり、余計な批判を浴びることに繋がりかねないからではないですか。グレーにしておいて、有事の際はその都度相談ってことかと。

「ここまでやってるから感染は出ないし、感染が出てもクラスターが多発しても何が何でもやる。だってうちは天下のザルツブルク音楽祭だし今年は100周年記念なんだし、中止なんて絶対にできない」と暗に言っているように思えます。

東京オリンピックのように実施ありきでゴールポストを動かしていくスタイル。