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ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、第1楽章用カデンツァ見つかる(ヴュータン版、2種)

ベートーヴェンマニアの皆様、ヴァイオリンオタクの皆様おはようございます。ご機嫌麗しゅう。

ウィーン在住のロシア人ヴァイオリニスト、ユーリ・レーヴィッチよりワンおばちゃんにメールがあり、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、第1楽章のカデンツァを録音したから見てくれよ、自分が校正にも関わった楽譜の出版もされるぜ!とかそういういう内容だったそうです。

おいおい、相変わらずユーリ・レーヴィッチ格好つけてんな!見なよこのジャケット、黒と白の切り返しがなかなか似合ってんのちゃう?黒いボタンが白地にくっきりと浮かび上がっていて、両隣に白石を置いて全部ひっくり返したくなるな!・・・いや、これは常日頃から息子とオセロに興じている私という個人的な体験によるものでありましょう。

髪の毛もふわっふわで、激しく上半身が動くたびバサッバサッと動くのが、何といいますかこう、キャーッ!!!フランツーッゥゥウッ!!(このあと失神する)みたいな感じでええんちゃう?フランツって誰や。

そんなことはよろしくて、そもそもベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のカデンツァ(=曲の終わりぐらいに現れる、独奏者が技巧誇示するからよろしくっていう自由演奏コーナーのことです)ってベートーヴェン自身のものはなくて、よく演奏されるのはシュニ・・・・うそ、ヨアヒム(ブラームスのトモダチね)とかクライスラーとかが作ったやつ。

で、レーヴィッチが言うところの新発見カデンツァっていうのは、19世紀の人気ベルギー人作曲家アンリ・ヴュータンが作ったったっていう2つのバージョンの楽譜だそうです。下に映像貼ります。

どういう経緯でレーヴィッチの手元に渡って、どういう経緯で楽譜が出版されることになったのかは不明ですが(ウィーンの老舗楽譜屋ドブリンガーから出版予定だそうです)、なんかこう、雰囲気があっていい感じ。途中からオケが入ってくるのはピアノ版のヴァイオリン協奏曲のカデンツァを意識しているかな(レーヴィッチのYouTube、オケはカラオケです。お友達に作ってもらったそうです。カラオケするから映像でもイヤホンしてるってわけ)。

えっ?ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のピアノ版、何?っていう方のためにピアノ版のYouTubeも貼っておきましょう。頭出しがめんどいからいきなりカデンツァから流れるようにしといたから。二流作曲家の手による色物とかそういうんじゃなくてちゃんとしたベートーヴェンのオリジナルやからな。演奏はバレンボイム師な。

個人的な体験を話しますと、私はこれ、10年以上前にムストネンがN響と共演したときにマネージャーとして同行してまして、このカデンツァをティンパニの方とリハーサルしてたの憶えてますわ。途中からベートーヴェンお得意のマーチみたいになって、トントントントンってティンパニが入ってくんのマジでトチ狂ってて大好き。

話がずれていきましたけど、ヴュータン版もええやんな。シュニトケ版よりずっとお客様受けもよろしいと思いましてよ。