Blog

世界初?いまを生きるクラシック音楽家を対象にした、世界中だれでも参加できる人気投票。1月18日まで。

世界初!世界中のファンを対象にした、クラシック音楽演奏家の人気投票だぁっ!ということなのだそうです。ユニバーサルミュージックが世界の皆様に問う、クラシック音楽演奏家を対象とした、しかもいま存命の人のみを対象とした人気投票。ラトルからドゥダメル、ベネデッティから若者オラフソンまで!!さあ投票してくれ!!

https://vote.udiscovermusic.com/

・・・・なるほど。どうやってショートリストが作成されたのかと言うと、おもに売上に準拠しているのだそうです。あと、「クラシック音楽界を代表する名前が集められた」ともありますけれど、どういう論理で「代表する」演奏家としているのか、というところの線引き、基準は示されておりませんで、これは否定的な反応が出そうなイベントかもと思いましたところが、レブレヒトのブログのコメント欄もさっそく荒れておりまして、誰それがいない、とか、売れればいいのか、などそもそもの企画自体が絶賛否定されている感じ。いやはや。

シェーンベルクが言ったという警句を引用して揶揄しているコメントがありまして、その言葉というのが

‘If it is art, it is not for all, and if it is for all, it is not art.’
「それが芸術なら、皆のためのものではない。皆のためのものなら、それは芸術ではない」

解説するのは野暮かなと思いますが、本当に素晴らしいものは広く認められないのだ、ということですか。売れたらええんか、という意見を代表するものですね。

脱線しますが、ちょっと穿った見方をするなら、このコメントがいつシェーンベルクから発せられたものなのかによって、その意図もこちらの解釈も変わってくると思うんですよね。ウィーン時代、売れなくて売れなくて、世間への恨み満点のなか語った言葉なのか、アメリカに渡った後、優雅にガーシュインとテニスをやっていたころなのか、あるいは晩年にまた苦労をしていたころなのか。そう思ってちらちらと検索してみたけど、3分検索では見つからなかったのでとりあえず今日はこれまでにしておきます。

売れること、高い芸術性、この両立については昔から悩みの多いところでありまして、売れさえすればよいのか、あいつは魂を売ったんだ、とか、でも食べられなければ意味がないじゃない、現実を見ろよ、とか、いろいろありますよね。ありましたし、あります。

お金を得るためにあるこれをしてまずお金をプールしておいて、そうじゃない自分が本当にやりたいプロジェクトについては採算度外視でやる、そういうやり方もあります。もちろん誰もがそうやって狙っていってうまく行けばいいですが、うまく行かないケースも多々あるので、誰もが悩むし、嫉妬するところなのだ。というわけで、投票は年明けの1月18日まで!以下のURLにアクセスして日本のあなたもレッツ投票!!!

https://vote.udiscovermusic.com/