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英国人指揮者サー・サイモン・ラトル(66)、下馬評通りミュンヘンへ

昨日より業界を賑わせていますが、英国を代表する指揮者、サー・サイモン・ラトルが、かねてより噂されていたバイエルン放送交響楽団の首席指揮者に就任することが決まりました。2023年から5年契約だそうです。バイエルン放送交響楽団の首席指揮者のポジションは、マリス・ヤンソンスが2019年12月に亡くなって以来、空席(上の写真はバイエルン放送交響楽団のFacebookページより拝借いたしました)

SIR SIMON APPOINTED CHIEF CONDUCTOR (バイエルン放響公式)
https://www.br-so.de/sir-simon-rattle-neuer-chefdirigent-des-brso/ 

Sir Simon Rattle will leave the LSO for Munich(BBCニュース)
https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-55617039

Simon Rattle to leave London Symphony Orchestra in 2023(ガーディアン紙)
https://www.theguardian.com/music/2021/jan/11/simon-rattle-extends-contract-london-symphony-orchestra-conductor-bavarian

ガラガラ、ガチャガチャ、というオノマトペ的な意味のなかなか不思議な名字、それが「ラトルrattle」!!。サー・サイモン・ラトル氏はいま66歳なので、まだまだお若い。カラヤン、そしてクラウディオ・アバドの後を継いで2002年から2018年までの16年間、世界のベルリン・フィルの芸術監督を務め、2017年からはロンドン交響楽団の音楽監督。それではロンドンの方はどうするか。今シーズンまでの契約だったところ、任期は3年延長で2023年までとなるんだそうです。ちゃっかりしてるNE!

ラトルがミュンヘンの仕事を引き受けた理由は、個人的なものも大きいのだとか。ラトル一家はベルリン在住で子供が3人。自宅から近い場所=ミュンヘンのポジションを受けることで、仕事と家庭のバランスを取ることができるんだそうです。つってもベルリン-ミュンヘン間は電車で片道4時間かかるけどね。

ラトルといえば、ロンドン交響楽団の就任条件に「新しい本格的なホールを作る」というものがあったほど、新しいホールを的な運動を繰り広げています。そう、ずううううっ、と言われてきたことですが、ロンドンにはオーケストラに適したいい音響のホールがないんですよね、やれやれ(ロンドンに行ったこともないのに偉そうにすいません)。

なおラトルによればロンドンのホールは「30分もリハーサルをすれば生きようという意思を失う」んだそうです。シニカルやな。一応、ロンドン交響楽団との関係が終わるわけではなく、23年以降も終身名誉指揮者に就任することが決まっているんだそうですが、

https://lso.co.uk/more/news/1625-sir-simon-rattle-announces-an-extension-of-his-contract-as-music-director-until-2023.html

関係各位のテンションはある程度~だだ下がりになることが想像されます。コロナで世界全体が大変なことになっていて「コンサートホールなんか作っている金なんかないんでは」という、言ってみればホール建設にネガティブな意味での格好の理由もあります。頓挫する可能性もあるかれません。

なお、ミュンヘンにもいまのところいいホールがありません(ラトル談)。