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バレンボイム、奇妙過ぎるインタビューを受ける

指揮者でピアニスト、そして教育者やご意見番でもあるダニエル・バレンボイムといえば“ワーカホリック”と言われるわけです。ロシアに目をやりますとゲルギエフという、とてつもないワーカホリックがいまして長年ブイブイ言わせているわけですが、ベルリンには、バレンボイムがいるじゃないか!!(アルゼンチン人だけど)。

ゲルギエフみたいに一日2公演や3公演でも可、という強烈なエンジンではないにせよ、休みの日があるのは好きではない、とどこかで読んだことがあるような気がしています。プライベートジェットで世界中を横断的に旅行して音楽をやってきた。しかし今、さすがのバレンボイムも、連日世界を飛び回りというわけにはいかない。音楽用語で言うところの「タチェット」(お休み)が多めなわけ。

なので、こういうインタビューに答えるほどには時間があるのだろうな、と思いました。そのインタビューというのが、「南ドイツ新聞マガジン」に掲載された言葉のないインタビューなのであります。以下リンクです。

https://sz-magazin.sueddeutsche.de/sagen-sie-jetzt-nichts/interview-daniel-barenboim-89680

Interview ohne Worteと書かれていますけれど、これがメンデルスゾーンのピアノ作品集「無言歌集」Lieder Ohne Worteのパロディであることはすぐに了解される。つまり「無言インタビュー」である。どういうことかというと、質問に対してジェスチャーで答える、それをカメラマンが写真にとる。以上。

写真を撮ったのはベルリン在住の写真家アルフレート・シュテッフェンという方だそうです。58歳。写真家の公式ウェブサイトはこちら。多分有名な方なのではないかと推測致します。この写真インタビューシリーズ《何も言っちゃだめよ!》をやってきた人。

https://sz-magazin.sueddeutsche.de/sagen-sie-jetzt-nichts/sagen-sie-jetzt-nichts-sz-magazin-87292

ドイツ語だから質問の意味がわからない?大丈夫。Chromeに日本語にしてもらったらOK。写真の上の文字が日本語になるからすぐ分かります。

・あなたのエンジンはいまどこ?
・スターテノールが遅刻したら?
・あなたは天才だと言われたら?
・大声か静寂か?
・再び生まれた、何になっていた?
・右翼と話すか、無視するか?
・ドアが開く、モーツァルトが入ってくる。あなたの反応は?
・ネタニヤフが入ってきたら?
・息子がヒップホップをやっている。どう反応する?
・どうやって妻を笑わせる?

しかしバレンボイムの写真を撮って、と言われたらむちゃくそ緊張するだろうな。現場でバレンボイムに「マエストロ、この写真は・・・ちょっと違うな」とか言われたら震え上がるで。

実際にかかった時間はわずかに7分弱とあり、新記録を樹立した!と自慢げにこの記事には書かれていますが、バレンボイムが「せっかちさん」だっただけかも。