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ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場、劇場再開の見通し立たず。

ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場について詳しく知っているというあなたは事情通だ。1801年に建設されたこの劇場は、いまウィーンにあるここ以外の2つの歌劇場(=ウィーン国立歌劇場、フォルクスオーパー)よりもずっと古いのだ。もちろん、楽友協会やコンツェルトハウスの建物などよりもずっと古い。

歴史をさかのぼりますと、ベートーヴェンが初演をいっぱいやっている場所なんですよ。フィデリオもそう、英雄もそう、ヴァイオリン協奏曲もそうなら、運命と田園も初演はここ。さらに言うとこの劇場の建設にはモーツァルトのポン友(表現が古いね)、シカネーダーが関わっているんですよ。

一口で言って、ゾクゾクするような素晴らしい歴史をもっているわけ。

座席数は1000と小ぶりなわけですが、今はいろんなオペラを、入れ代わり立ち代わり有名な団体がピットに入ってやっていたりする。

しかしこのアン・デア・ウィーン劇場もコロナ対策で閉鎖続行となり「再開の時期はわからない」と公式サイトの上の方に出ている。昨日、フランスのある音楽事務所の人からメールが来て、そこに「フランスもいままた大変なことになっている」と書かれていましたが、ウィーンもコロナがまた増加傾向にあり、大変なことになっている。劇場の公式サイトを見ますと「キャンセル」の文字がずらっと踊っている。

「イースター(4月4日)までは無理だろう、そしていつ再開できるかは残念ながらいまのところ不明だ」と告知文には書かれており、「ともに自信を失うことなく、劇場の再開を願いましょう!」と締めくくられています。自信を持ってとか無理やろ、と思いたくもなりますが、言っている側もきっとそれは承知の上で書いているでしょう。

ちなみにオーストリアのコロナ状況最新はこういうところとかに:
https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/countries-and-territories/austria/

あとオーストリアのワクチン摂取状況は、3月25日現在で1回接種が13.72%、2回接種が4.76%とあります:
https://info.gesundheitsministerium.at/en/