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ドゥダメル、バルセロナで《オテロ》を指揮

© David Ruano / Gran Teatre del Liceu

オペラ、日本では再開されていますけれど、世界ではどういう感じになっているのかというと、これが結構やっていたりするんですよ。

アメリカ、あるいはドイツやフランスやイタリアやイギリスなどの劇場が閉まっているため「欧米はどこもかしこも全滅なんじゃないか」という印象を持ってしまいがちなのですが、広く世界に目を向けますと、けっこうやっている。たとえば中国、韓国、台湾、オーストラリア、アルゼンチン、ロシアなど。

そしてヨーロッパでも・・・そう、ルクセンブルク、モナコ、そして・・・スペイン!スペインも例外だぜ!「文化は基本的人権である」という政府のお墨付きのものと、テアトロ・リセウ大劇場は上演を再開している。そしていま、ドゥダメルがオテロを指揮している最中。全11公演が行われます。

https://www.latimes.com/entertainment-arts/story/2021-03-30/gustavo-dudamel-otello-liceu-covid-reopening-spain

ドゥダメルはスペイン人と結婚していて、いまスペインに住んでるんですよ、確か(間違ってたらすいません)。ところで感染症対策はどうなっている?合唱はどうなの?ピットは危険じゃないの?

まず・・・

●ドゥダメルのまわりは5枚のプレキシガラスで覆われている(上の画像です。LA Times から拝借をいたしましたすいません)。ドゥダメルはマスクをしないが、飛沫は基本下に落ちるし、ある程度このガラスによってブロックされ、指揮者をぐるっと取り囲む弦楽器奏者のリスクは低減されていると想像できる
●オーケストラは管楽器奏者以外全員マスク着用
●合唱団70名はマスク着用
●舞台スタッフも全員マスク着用
●主要キャスト8名はマスクなし
●聴衆は1000人(客席数2292)、マスク必須、体温測定、手指消毒、時間差入場
●クロークなし、飲食提供なし、トイレやエレベーターの制限

終演後は聴衆からの温かい拍手、そしてブーイングもちょっとあったよ、と。

スペインのワクチン接種率は5%。まだまだのレベルではありますが、この11回予定の公演でクラスターが発生しなければ、コンサートあるいは対策をきっちりすればオペラであっても、リスクは比較的低いのではないか、ということがヨーロッパでも確認される、と言えるのではないでしょうか。