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コンセルトヘボウ管の元副首席ヴィオラ奏者、コロナで死去

Photo: Rob Bouwmeester

ピーター・ソコレ Peter Sokole。オーケストラオタクな方々ならピンと来るお名前でしょうか。世界屈指のオーケストラの一つアムステルダムのロイヤル・コンセルトヘボウ管・副首席奏者を28年間(1980-2008)に渡って務めたアメリカ出身のヴィオラ奏者。オーケストラを引退した後は、何度か来日もしている「ムジカ・レアーレ」と名付けられたコンセルトヘボウ管メンバーによる室内楽団(メンバーは固定ではなく、プロジェクトに応じコンセルトヘボウ管から選ばれる)の創設者でありディレクターを務めた。

コロナで先週土曜日、つまり2021年4月17日にアムステルダムでお亡くなりになったそうです。76歳。ご冥福をお祈りいたします。

https://slippedisc.com/2021/04/concertgebouw-violist-dies-of-covid/

旧友のレナード・スラトキン(現在76歳。同い年)がメッセージを寄せていて、大変悲しいニュースだと言っている。「ジュリアード音楽院の学生だった頃、ピーターとルームシェアをしていたことがある。社交的で、がんこで、才能があり、いつだって18歳に見えたものだ」。

ジュリアードでは伝説的教師であるイヴァン・ガラミアンとドロシー・ディレイに師事した。いやーしかしガラミアンとディレイってまじ優秀(突如めっちゃ偉そうにすいません)。だってパールマンからズーカーマンからシャハムからベルからナージャからミドリから、そりゃあもう錚々たる名前が門下生として挙げられますもんね。でもね、おじさん、ガラミアンはイラン生まれっていうの、Wikipedia見て今日はじめて知ったんだ。あれっアルメニア人じゃなかったっけ?大丈夫、私の記憶力はなんとかギリギリ機能しているようだ。アルメニア人です。イラン生まれだけど生まれてわりとすぐに家族がモスクワに引っ越した、とある。

ソコレ氏は1980年からコンセルトヘボウ管の副首席になったそうなのですが、入団したのは1967年なので41年間コンセルトヘボウ管で演奏していたということになります。41年か・・・長いすね(振り返ってみたらあっという間だった、ということだと思うんですが)。ハイティンク、シャイー、ヤンソンスと、3代の首席指揮者のもとで演奏したということになりますか。クライバーが振ったときは乗り番だったんだろうか。その前はストコフスキーに認められてアメリカ交響楽団の首席ヴィオラを務めたり、オランダ室内管の副首席を務めたりした経験もあるそうです。

ちなみにオランダのワクチン接種状況は4月11日の段階で17.26%だそうです。ドイツやフランスより若干低い数値。またコンセルトヘボウ管は約400人の聴衆を入れたテスト・コンサートを16日に実施したばかり。パーヴォ・ヤルヴィの指揮で、ピアノはヴィキングル・オラフソンで。チケットは発売と同時に瞬間蒸発したらしいですよ。登録すれば誰でも以下URLからそのコンサート動画を見られますんで、よろしければどうぞ。

https://www.concertgebouworkest.nl/en/premiere-16-april-2021

みなさまもコロナ疲れもあるかもしれませんが、引き続き警戒してください。普段は意識低い系やで、っていうダメダメ私みたいな方々も、コロナに対してだけは変わらず意識高い系で。ノーマスクピクニックとかまじで論外。