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ソーシャルディスタンス時代の音楽を模索する:「オンラインでレッスン」

若いアーティストたちはどうやって育ってきたのかご存じでしょうか。教育です。上の世代による教育によって育ってきました。中にはほぼ独学というとてつもない天才もごくごくまれにいますけれど、そういう人たちも完全に一人で育ったわけではなく、よく聞いてみれば誰かに習っていたり、アドバイスをもらったりしながら育っている。これ必須。完全な例外はない。ただし、産まれた瞬間に歩いて天上天下唯我独尊と言ったお釈迦様ってなあ、例外だ。

自分一人で育ったような顔をするな、おしめを替えてくれたのは誰だ。自分が親になってみると、いかに自分の人生が両親に頼っていたのかを痛感します。赤ちゃんなんてウーアーしか言えないし、そもそも寝たきりなんだぜ。

ソーシャルディスタンス時代の教育現場の実情

さて、クラシック音楽ファンの方にこの情報は浸透しているのでしょうか。教育、レッスンという行為、ソーシャルディスタンス時代の今は出来ないんです。音楽の専門的な教育っていうのはそもそもが密室でやるんですよ。密閉された空間です。いま一番いけないとされる「密」です。

しかも往々にして「防音室」というガチガチに外気を遮断した空間でやるので、三密クライシス待ったなし!なわけ(危ないので換気扇はついていることが多いです。もちろん換気扇も防音仕様です)。

ちなみに防音室は死ぬほど重くて高いんです。ゆえに狭い部屋であることも多いです。極小の場合1畳ぐらいのもあるんだぜ。ほらたとえばこれ、カワイの組み立て式の防音室。これ1.5畳で100万円を越しますし、460kgって書いてあるわ↓

というわけで、音楽教育の現場ではいま何が起こっているかというと、オンラインでのレッスンへの移行です。急速に浸透している。おそらく一番利用されているのがzoomでしょう。密室を避けなければならない以上、zoom。英国やドイツの音楽院でも既に新常識のようになっているそうです。聞くところによりますと「やだ」っていう教授もいるみたいですけど(ドイツ大都市の音楽大学からのリーク情報)、しゃーない。今は現実として受け入れざるを得ないです。

昔はSkypeやるためにわざわざ外付けのwebカメラを買ってきてモニターに引っ掛けたりしたものですが、今は大体のノートパソコンにはカメラとマイクが内蔵されている。私が使っているDellのXPS13にもバッチリ入っている(最近知った)。いや、パソコンがなくたって、スマホで全然オッケーなんで、インターネットにさえ繋がっていればOK。たいてい今の若者はスマホを持っていますからそれでなんとかなる。音は悪い、と言われればそうかも知れないけれど。ギガが足りなくなったらどうする?それは知らん。

音が悪い、そりゃそうだ、しかし今はそうは言ってらんないし、レッスンは受けたいんだけれど、っていう人のためにオンラインレッスンが急速に浸透した。

興味深い試み、海外からオンラインで公開ワンポイントレッスン

プロアルテムジケという言葉をご存じでしょうか。日本の音楽事務所の一つです。この名前、意味が何か、それからどこで区切るかって、わかります?アルテムジケのプロ版でしょ?高いんだよね、あれ。・・・間違い。プロ・アルテ・ムジケです。スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテを思い出すね。

業界の人なら「プロアルテ」と一部省略して読んでください。なんなら中の人達も自分たちの事をプロアルテって言ってますし、ウェブサイトのURLもプロアルテだから。なお、言葉の意味は公式サイトをご覧ください。

Pro Arte Musicaeとは
ラテン語で『音楽芸術のために』という意味です。

https://www.proarte.jp/contents/category/about/

ここは管楽器に強い「特化型」の音楽事務所です。もちろんピアノや弦楽器やオーケストラもやるが、管楽器関係で突出している事務所といえばここです。こういう事務所は珍しいんですが、珍しいからこそ、勝ち残ってきたのだ。スペシャリストは強い。世界中に強力な管楽器のネットワークを持っています。 特に金管はここです。 覚えておいてください。プロフェッショナルですね。こういうの、ゾクゾクするし大好きです。さすが会社名にプロって入ってるだけあるね(意味が違う)。

プロ・アルテ・ムジケも今後を考えています。今日の夕方にオンラインでレッスンおよび聴講、をこの度はじめて実施するのです。関係者によれば宣伝期間は僅かに3日。おおっ!このスピード感、まさ新時代の到来だ。講師はノルウェーの、ソリストとして活躍する世界でもまれな天才チューバ奏者(ほらね、金管だ)。

16時から。つまりノルウェーは朝9時だから、朝っぱらからレッスンをしていただけるわけだ。ありがたやありがたや。ノルウェー人は夏は早起きだから(勝手なイメージ。だってきっと日も長いでしょう?)大丈夫なのだ。

今ならまだ聴講の申込み可能

レッスンを受けるのは日本人2名で、もちろんzoomを使う。関係者に尋ねたところ聴講の申込みはまだ可能だそうだ。ここから申し込みできる。

https://www.proarte.jp/shop/products/detail.php?product_id=2315

なお私も聴講をしてみることにしているのだが、申込みの際には職業も聞かれるので正直に申告して欲しい。間違っても私みたいにふざけて別の職業(レーシングドライバー)を選択する方がたくさんいない事を願うのみだ。