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ToshIオペラシティ公演はどれだけ採算度外視だったか

なんで画像が初台駅かって言うと、この駅直結の、クラシック音楽ファンならすぐに思い浮かぶ場所があるからです。新国立歌劇場、そして・・・東京オペラシティコンサートホール!!

歌手のToshIが昨日、クラシック音楽ファンにはおなじみのホール、東京オペラシティコンサートホールで、たった一人のためのコンサートを開催しました。ニュースをご覧になった方も多いでしょう。1日で4公演(1公演30分)、各回1名ただし最後の4公演目はペアで2組、すなわち合計7人がこのコンサートを体験したことになります。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ef64680b0a0944fe2e7aed0008051b06ec83244a

先週の藤田真央ピアノリサイタルが、コロナ後のオペラシティで最もお客さんが入ったのではないかと思われる公演でしたが、反対にコロナ後最もお客様が入らなかったのがこの公演であることは間違いないでしょう。東京オペラシティコンサートホールは1632席あるんで、4回やったら最大でのべ6528人入れる計算のところが、たった7人ですからね。

ご本人公式サイト&ブログ:
https://toshi-samuraijapan.com/eve_2020hitori/
https://ameblo.jp/toshl-official/entry-12626837000.html

全4回の開演時刻は12時、13時、14時、15時。開場時刻はそれぞれ10分前。12時の回はお客様同意のもとマスコミを入れて10分パフォーマンス、10分後にマスコミには退場していただいて仕切り直しで30分。だから12時の回の人は40分楽しめたわけです。さらに贅沢!

チケットの倍率は5000倍超だったそうです。ってことは3万5000人以上の応募があったということですね。チケット代金は3万円税込み。

3万円で30分、高いと思いますか。30分一人だけで大好きな音楽家の演奏を聞けるというのであれば、ファンにしてみたら全然高くないでしょう、むしろ「うおー安い!!!」ではないでしょうか。

収入はチケット代金の3万円×7=21万円だけでしょう。ニュースなどで「採算度外視」「数百万かかった」と言われていますが、ホールレンタル部分とチケット関連だけ計算してみた感じでも約170万円の赤字。

ホール使用料:祝日全日利用として 1,600,000円
楽屋:ABCの3部屋を借りたとして 6,500円
ピアノ使用料(スタインウェイD):20,000円
照明基本料:20,000円
拡声基本料:12,000円
以上消費税込計:1,824,350円
(このほかにもホール関連いろいろかかっている可能性あり)

●ピアノ調律費:50,000円
(立ち会いあるなし等によっても変わるので目安です)

●チケットぴあ利用料金
 興行登録料:10,000円
 販売手数料10%:21,000円
 用紙代1枚10円:70円

支出1,905,420円

収入-支出=-1,695,420円

ここに挙げた以外の費用もいっぱいあるでしょう。音響関連は人件費含め十万単位でお金がかかっているかもしれません。広告宣伝費、スタッフ人件費、移動費、ケータリング、リハーサル費、会議費など足していくと赤字の額はどんどん大きくなっていく・・・・。

しかしこの公演が人をどれだけ喜ばせて勇気づけたかを考えるとその価値は計り知れません。抽選に当たって会場に行かれた方にとっては言葉に出来ないほど濃い時間、忘れられない思い出となったのは間違いないですし、抽選に外れたファンもこの企画そのものに大感激したのは間違いないです。すごすぎる!

参考:
http://itaku.pia.jp/
https://www.operacity.jp/concert/rental/hall/price/index.php