1988年から数えて34年。サンクトペテルブルク・フィルを率いたテミルカーノフ83歳が首席指揮者を降りる、というニュース。引き続き芸術監督の地位にはとどまるが、首席指揮者は退くと。「個人的な判断」とありますので、まあもういいかなって思われたんでしょうかね。お疲れさまでした本当に。80過ぎてオーケストラを率いるっていうことは体力的にも精神的にも大変なことでしょうしね。
https://slippedisc.com/2022/02/yuri-temirkanov-ends-his-career/
https://www.classicalmusicnews.ru/news/temirkanov-leaves-zasluga/
これからも指揮はおそらく続けるのだと思いますが、オーケストラに関する様々なとりきめ、雑務などからは徐々に距離を置く、あるいは基本関わらないということになるのでございましょう。「いいよいいよ、君が決めたならそれでいいよ」とニコニコ笑って好々爺(ほんとうか)。後任は2000年から副芸術監督兼を務めてきたニコライ・アレクセーエフ65歳。
突然ですがいまサンクトペテルブルク・フィルってドミトリー・ショスタコーヴィチ記念って冠が付いているんですね、知らんかった。
かつてレニングラード・フィルと呼ばれクーセヴィツキーやマルコ、ガウクなどが率いたわけですがなんといってもレニングラード・フィルと言えばニコリともしない頑固爺、ムラヴィンスキー。1938から88まで50年やぞ。半端ないわ。
その後任を勤めるということのプレッシャーたるや半端なかったと思いますし、見事にやりとげたということで、最高の働きをされたと思うんですが、一つの時代がまた終わるということですね。後任のアレクセーエフもまたプレッシャーですが、よい結果が生まれることを願います。アレクセーエフはこの数年、事実上首席指揮者の役割を果たしていた、ということなんで、既定路線として動いていたということでしょう。
周りはなんのかんのというのよ、言いたいことを。口さがない人らはやれ格下だの、やれつまんないだのと言うかもしれませんね。そらそうよ、巨匠の後だもん、しょうがないよ。そういうのは言わせておいて、自分の仕事を淡々とやる、良き仕事を積み上げていけば、気がつけば年月も経ちおのずと評判も高まろうと言うもの。これは、アレクセーエフが20年以上待ちに待った結果掴んだ大チャンスなのである!!!すごいことだ。こういうときいきなり若いのにひゅっとチャンスを取られて地団駄を踏むケースもけっこうあると思うんですよ。それを許さなかったというか、隙を見せなかったということだと思うのです。すごいことだ(2回目)。急な改革を慎み、じっくりと時間をかけて自分のカラーを打ち出せるかが肝でしょうか。
では、万が一うまくいかなかったら?ならすぐやめたらええやん。チャンスを掴んだっていうことだけで十分にすごいことだ。世の中のほとんど全ての人はチャンスすらつかめないのですから。ってなにやら大変偉そうな物言いをしまして誠に申し訳ございません。
全然関係ないけど、サンクトペテルブルク・フィルのウェブサイトをグーグルに翻訳してもらったらWhat’s On(=今後のスケジュール)のタブが「どうしたの?」って訳されたんで、うっかり声を立てて笑ってしまいました。猫に奇妙な顔で見つめられてしまった。