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【ベンジャミン・フリスのベートーヴェンへの道のり2】

CD初録音はディアベリ、そして17歳の時からハンマークラビアを弾き始めたフリス。ある時ワンおばちゃんは聞いてみた「一般的にはソナタを色々と弾いた後、取り上げる選曲に思えるのだけど、何故最初に?」「僕にとっては、ベートーヴェンの始まり、ベートーヴェンで終わる。自分がベートーヴェン弾きと言いたいというのではない。自分の演奏家としての基軸がそこにあるということだと思う。 ディアベリとハンマークラビアの中にベートーヴェンのピアノ音楽の変遷が全て収まっていてそれが凝縮したエッセンスのようにそこにある。 10代の時から常にこの曲に対峙しながら自分の居場所を探していたんだ。この曲を取り組んで50年、今皆んなに聞いてもらいたい。 コンクールの時でさえ関係ないのに弾いていた。 「ディアベリとハンマークラビアは僕のバイブルだ。目を瞑って手を置く。そして自問する。そういう気持ちで演奏してきた。この曲に初めて接し、50年。今pilgrimage の折り返し地点でこの曲に再び挑戦する。この2曲は僕の道しるべだと考えている。 コンクールの時の練習で、使う訳でもないのにディアベリやハンマークラビアを弾くフリス。 「この曲で、何時でも原点に戻れるんだ」 MCSの20周年に最も相応しい選曲だと思った。 MCSも20年経って、誠に残念ではあるが、原点に戻り この記念すべきハンマークラビアでMCSの最初のサロンコンサートと同じぐらいの入場者数になってしまった。フリスに希望を聞いてみたら「好きでこのプログラムを弾かせてもらってるんだから、招待なんか出さないでいい。聞きたい人が聴く!でいいじゃないか。ロンドンのサロンコンサートだって20名の事だってあったじゃないか。世の中、やりたいことをやるか “やりたい訳ではないがやった方がいいからやる”のどっちか。この歳になったら断然“やりたい”が優先だよ。それをやらせてもらってるんだから20名でもいいよ!リュビモフのウストヴォルスカヤの時の15名よりマシじゃないか!」 フリスとMCSの原点回帰!