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ズービン・メータ、スカラ座にカムバック

先日体調不良でスカラ座の出演をシャイーと交代したズービン・メータ(84)がスカラ座に戻ってきました。昨晩、イースターの夜に。演奏されたのはシューベルト3番とブルックナーの9番。

https://www.connessiallopera.it/news/2021/pasqua-alla-scala-zubin-mehta-dirige-schubert-e-bruckner/

動画はYouTubeで1週間だけ公開されるそうなので、お早めにどうぞ↓

https://www.youtube.com/watch?v=jcy6eOqwsYY&t=6026s

さすがに椅子にお座りで指揮されているものの、自分の足で、確固たる足取りで指揮台までススっとお進みになるご様子は、まだまだまだまだまだまだお元気そのものでありましょう。

メータは若い頃、アメリカのロサンゼルスで偉大なる指揮者ブルーノ・ワルターに出会っていろいろと教えてもらったと言うことが最近読んだ「マーラーを語る」という本に書いてありました。ブルックナーの未完の交響曲、第9番についてもワルターに色々質問し、教えてもらったのだとか(ワルターにとってはメータのウィーン訛りのドイツ語が大変懐かしかったそうです。マーラーの元妻、アルマ・マーラーにも出会ったことがあって、大変気に入られ、話し込み、まだ話しましょ、と言われて飛行機を変えざるを得なかった)。

こういう、なんというのでしょうか、伝説的な過去の巨匠とのつながりを持つ人たちは、今後さらに少なくなっていくわけですから、一期一会というか、ご登場は大切に受け取りたいと思います。

メータ「(ブルックナー9番の)第三楽章の終わりは、本当に別れです。ブルックナーが世界へと別れを告げるのです」。全曲を演奏し終わったあとの団員からの拍手、そして立ち上がって深々と団員にお辞儀をするメータの後ろ姿は実に感動的。ただただ、感動的。世界へのお別れと言わず、これからもお元気でいて頂きたいものです。