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テレサ・ベルガンサ(1933-2022)

友達の友達の友達の友達の友達の友達まで行くと世界中の人と繋がれるんだそうです。詳しいことはわからないのですが、そしてこれが本当に正しいのかどうかもわかりませんけれど、いやむしろ直感的にはマジですかと思うような話ですが、ともかく6人目のお友達まで行くと、世界中の誰にでも到達できる。

伝説的はメゾソプラノ歌手、テレサ・ベルガンサがお亡くなりになりました。89歳。

https://operawire.com/obituary-legendary-mezzo-soprano-teresa-berganza-passes-at-89/

https://www.telegraph.co.uk/obituaries/2022/05/13/teresa-berganza-sultry-voiced-mezzo-soprano-revered-portrayal/

個人的にお会いしたことはないのですがベルガンサとは不思議なご縁があります。晩年のベルガンサのピアニストをしていた人物と何度かお仕事を共にしたのです。スペインのピアニスト、フリオ・アレクシス・ムニョスです。

ムニョスはスペイン人という勝手にラテンな陽気な、というイメージに収まらぬ物腰の柔らかく静かな方で、この方を通じてベルガンサの人となりをお聞きする機会がありました。またこの方の伴奏でスペインの現役バリバリの素晴らしい歌手たちのコンサートを開催できたのは本当によかったことだと思っています。

昭和音大でベルガンサがマスタークラスをしたときもムニョスさんがピアニストとして参加していて、気まぐれでせっかちなベルガンサが矢継ぎ早に繰り出す様々なコメントに通訳の方が当惑されていたのですが、そこに助け舟を出していたりなんかして、面白いコンビだなと思いながら見ていました。

2019年に私が前職を離れたあとも、マリア・バーヨの来日に尽力してくれました。「テレサって超大変なのよ、なぜならテレサだから」。と笑いながら語ってくれたのは大変おもしろいと思いながら聞いていたのでございます。コロナでいま途絶えていますが、またムニョスさんに声をかけ、近い将来スペインの歌手たちを呼びたいものだと思っています。

テレグラフ紙の訃報記事にはベルガンサのおもしろエピソードがいくつか書かれていました。「本番前にホテルで寝ていて寝過ごしかけ、開演15分前の電話で飛び起きてノーメークで出た」「スカラ座で雨の演出のオペラで舞台上で走ってすっ転んだ」とか、インタビューに答えて曰く「天国には私よりもっと重要な歌手がいる、私は合唱団に入るわ」など。

伝説のメゾが亡くなりましたが、世界には伝説的メゾが数名います。そのうちの一人ヴェッセリーナ・カサロヴァを、私たちは今年9月に招聘いたします。東京で15年ぶりとなるリサイタルをサントリーホール、そして紀尾井ホールで開催します(名古屋でも13年ぶりのリサイタルを開催)。

東京の2公演のチケットは本日10時より発売。訃報の投稿にこのような宣伝をするのは不謹慎かもしれません。しかし、ご本人も、歌は次から次へと若い世代へ受け継がれてほしいと思っていたことは間違いありません。天才的歌手の歌によって人々が笑顔に、幸せになる事を望んでいたことも間違いがありません。

9月10日と14日はぜひ、笑顔をもとめて世界最高の歌手の一人を聴きに来てください。

9月10日(土)14:00 サントリーホール《傑作オペラ・アリアの午後》
https://mcsya.org/concerts/tokyo-concerts/kasarova-at-suntory-hall-2022/

9月14日(水)19:00 紀尾井ホール《名作歌曲の夕べ》
https://mcsya.org/concerts/tokyo-concerts/kasarova-at-kioi-hall-2022/

※以下名古屋公演の発売日は調整中です: 
9月7日(水)《傑作オペラ・アリアの夕べ》
愛知県芸術劇場コンサートホール