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【ベンジャミン・フリスのベートーヴェンへの道のり】迷路その1:メンデルスゾーン横丁の巻2の後日談

メンデルスゾーン大好き!で始まったその歌手。メンデルスゾーンの無言歌と歌曲という話であった。フリスはかつてベンジャミン・ブリテンの死後、学生時代にピーター・ピアスの伴奏をしたことがあった。その時代からリートの世界にはまりこんでいたフリスはシューベルト、シューマンの歌曲を演奏会で取り組みたいとずっと思っていた。その歌手は元々ピアノ科出身であった。それもかなり優秀な……意気投合して始まったプロジェクトのつもりだった。 それが結局はオペラ・アリア満載にカレー・ライスの福神漬けの様に歌曲が添えられたという形になってしまった。 それでも彼女は不満だった…….. そしてそれから1年経ったかどうかの時に、同じ会場で今度は指揮者の伴奏でリサイタルがあった。 その頃彼女は某歌劇場でデビューを果たし、役もつきキャリアは順調に進み始めていた頃であった。いわゆる美声で個性もそれなりにあり 声量もあり抜群とはいえないけど安定したテクニック。何もかも申し分がない。 ワンおばちゃんは言った「ピアニストが変わると演奏も違うんですね」「ええ、今日は私のリサイタルですから」「…….」「前回はデュオでした」「….」「でも私は歌手だから…..」「貴方はオペラ歌手かと……」「今はオペラに集中。50代になったらもっと真剣に歌曲も取り上げる挙げるつもり。やれるうちにオペラに専念しなくちゃね」「……(言葉を探して)前回も今回も素晴らしい演奏でした」 何が違うかといえば指揮者ピアニストはそれこそまるでピットから駆け足で舞台にたどり着いたか如く高揚した顔で片手でかのじょにovationをして讃えまくっていて、それに呼応して幸せいっぱいの笑み満面のオペラ歌手を見るにつけ、フリスの「リートの世界は遠くなりにけり」を実感してロンドンの夜道を歩きながら帰路についた。 そうフリスってそういうことできないもんね…… Beehiveパブの前を通りかかると、経営者のおじさんが、「最後残ったシャンパンがあるから飲んで行きなさいon the house だ」「mmmmこれ気が抜けてるわよ!ーありがたいけど」「3日前にうちでバースデーやってくれた人がいたんだ。その人がジェームズ・ボンドのファンでボランジェ3本用意してって言われて…..。今日演奏会余りパッとしなかったのかい?顔に書いているよね…..はい残り物のソーセージと地ビール…..」「これじゃまるでタカリ屋じゃない」「だってうちBeehiveだもん。蜂が残り物にたかってくるんだ。Beehiveさ(蜂の巣)だよ。蜂に乾杯!」