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ブザンソン国際指揮者コンクール2021は優勝者なし

2年に一回開催のブザンソン国際指揮者コンクールといえば、反射的に小澤征爾!と答えてしまうぐらいにはクラシック音楽に詳しい私です(どう突っ込んでいいのやら)。

https://festival-besancon.com/

ブザンソンってどこにあるか知っていますか。フランスの右の方。スイスにかなり近くて、ローザンヌやジュネーヴから車で2時間弱ぐらい。ただしどちらからも電車で行くとぐるっと遠回りするんで5時間とかかかる。人口は11万人ぐらい。

このコンクールは日本人の優勝者が多いのも特徴で(過去の優勝者一覧はWikiへどうぞ)、前回2019年には沖澤のどかが優勝している。沖澤さんの今後の活動に期待されていますが山田さんの活躍も著しい。ちなみに日本人女性でもうお一人優勝されていますが誰でしょう。正解は・・・

越後製菓!(このCM大好き)・・・ではなくて松尾葉子。

今年は優勝者なしということになったそうでございます。審査委員たちによる最終コメントは「ファイナリストたちの資質の多様性のため」優勝を決定することが出来なかった。いささかならずモヤモヤする表現すね。前回2003年は「候補者のレベルが不十分」という理由で優勝者なしになっていたらしいんですが、「資質の多様性」diversity of the finalists’ qualitiesと言われて出場者は納得するだろうか。 具体的には、

・Jong-Jie-Yinは21歳にもかかわらず音楽を非常によく理解していた
・Deun Leeの情熱、アーティストたち特に歌手とのコミュニケーション能力に優れていた、そして全体を通じて安定していた
・Chole Dufresneの明快な指揮棒、また新曲課題への理解の高さ

ということらしいんですが、審査というのはそういうのを理解した上でするものなのでは。まだレベル不十分の方がくやしいが納得出来るんではないですかね。とはいえ、こういうコメントが出ることになったのには色々と理由があったんですよきっと。外野が結果だけ見たってわからない何かが。

なお優勝者なしは2003年以来となりますが、優勝者なしというのがすごく珍しいかと言うとそうでもなくて、1973年、1971年、1969年、1966年も該当者なしとなっております。これまでに開催されてきた全57回のうち5回なので、およそ8.7%の割合で優勝者が出ないということになります(って全く意味のない計算なのでどうぞ誤解なきよう)。