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【訃報】ウラディーミル・メンデルスゾーン(ヴィオラ奏者、教育者)

ルーマニアのメンデルスゾーンと言われてもピンと来る方はマニアな方でしょうか。ルーマニアにはメンデルスゾーンがいる、いや、いた。ウラディーミル・メンデルスゾーン。あのメンデルスゾーンの子孫で、ヴィオラ奏者。

ブカレストで学んだ後オランダへ。そして世界各国で演奏を続けてきた。フィンランドのクフモ国際室内楽音楽祭の芸術監督を2005年から務めていたが「急速に悪化する病気のため」8月13日にオランダでお亡くなりになったそうです。

クフモ音楽祭のリリース:https://kuhmofestival.fi/ajankohtaista?n=2021-08-14

エネスコ弦楽四重奏団のメンバーでもあり、またカントロフ、藤原真理の3名でモーツァルト・トリオという名前で活動もしていて、記憶にあるのは2011年の震災後に予定されていた日本ツアー。私も一部関わっていたのですが、残念なことに中止になってしまったことを憶えています。

あの当時すでになかなかのご高齢だったように思っていましたが、72歳で没したということなので、まだまだお若かったんですね。フィンランドの新聞によりますと、フィンランドを代表するカルテットの一つ「Meta 4」の名付け親だったということだそうです。

https://www.hbl.fi/artikel/kuhmofestivalens-chef-vladimir-mendelssohn-ar-dod/

Meta 4。カタカナで「メタフォー」って書くとなんか落ち着かないんで Meta 4。懐かしいですね。来日公演に関わらせていただきました。2010年ぐらいだったか。いま見たらメンバー変わってなさそうや。チェロ以外は立って演奏する(した)んですよね。チェロの人の名前が読めなかったな―。来日してそのままホテルで休憩無しでリハーサルをしてた。「これが時差ボケの唯一の対策や!」とかみんなで言いながら目が死んでたのをよく覚えております。シベリウスの《親愛なる声》を演奏して、その後三鷹駅前の寿司を食べに行きました。最近もヨーロッパで活躍されているのは目にしていますが、カルテットの来日、もはやかなり難しいですよね。

メンデルスゾーンからMeta 4の話題に移ってしまいましたが、若い世代に音楽をつなげていったというのはご本人の大きな業績ですよね。

ご冥福をお祈りいたします。