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さようならネルソン・フレイレ

11月1日、ネルソン・フレイレが亡くなりました。祖国ブラジルのリオ・デ・ジャネイロのご自宅にて。

昨夜電撃的なニュースが踊るのをアルコールでぼうと霞んだ頭で見た後、朝になってもう一回眺めて、やっぱりほんとうだったのかと確認をしました。

https://www.br-klassik.de/aktuell/news-kritik/nelson-freire-pianist-gestorben-100.html

https://www.lemonde.fr/culture/article/2021/11/01/nelson-freire-geant-du-piano-est-mort_6100587_3246.html

1944年うまれ、77歳だった。3歳でピアノのレッスンを始め5歳でデビューした神童。1957年に奨学金を得てウィーンへわたりザイドルホーファーに習う。留学中にアルゲリッチと知り合って以来二人はずっとソウルメイトだったというわけ。

マルタ・アルゲリッチのデュオ・パートナーという印象が日本においては強いかも知れないが、ソロ活動も活発だったし、共演してきた指揮者陣を見るとすごいすよ。ブーレーズ、ヨッフム、クーベリック、マゼール、小澤・・・・。これを眺めただけでわかっていただけるというもの。

2002年より長年デッカに録音を残してきていることでも知られていますか。若い頃ルドルフ・ケンペと収録したCBS(←レーベルの名前)の録音もうちの棚のどっかにあるよ。

2019年にブラジルで歩いていて転倒して肩を痛めて以降、コロナが発生したこともありステージに戻ることはついになかった。先月はアルゲリッチと一緒にショパンコンクールの審査員をするはずだったところ「二人揃って辞退した」というニュースを見た瞬間に覚悟はしたのですが、あまりにも早いのではないですか。

ウソか本当か、その昔フリードリヒ・グルダ(アルゲリッチのウィーン時代における先生、ピアニスト)がふざけて自分の死亡広告を出し、その後「復活記念コンサート」とかそういう意味不明なことをやってヒャッハー!!大ハッスル!・・・・という話を聞いたことがあります。何やってんのグルダ、意味不明すぎるやろ。

フレイレの訃報がそういうたちの悪い冗談であればいいのに。復活記念コンサートやってくれよ。