Blog

フランスの名門レーベル、元CEOの死

黒を基調としたジャケット、アンモナイトのロゴでもおなじみ・・・はい、楽さん早かった!「えー、フランスのレーベル、ハルモニア・ムンディ」・・・おーい、山田くん座布団一枚もって行きなさい・・・・・!!

ハルモニア・ムンディと言えば、古楽ファンの方々にとってはおなじみ。ウィリアム・クリスティやらフィリップ・ヘレヴェッヘやらルネ・ヤーコプスやらアルフレッド・デラーやら、アンドレアス・ショルやらが録音を残している名レーベルであります。古楽にあまりおなじみでない方にとっても、たとえばチェロのジャン=ギアン・ケラスやピアニストのアレクサンドル・タロー、ハヴィエル・ペリアネス、ポール・ルイスと言った名前を出せば、ははあ、と言われるかもしれません。

1958年にフランス人のベルナール・クータズ(1922-2010)によって設立されました。主なアーティストは公式ページのアーティストリストをお読みください。

その奥様でもあったエヴァ・クータズが1月27日、腎臓の病でお亡くなりになったそうです。享年77。

https://www.gramophone.co.uk/classical-music-news/article/eva-coutaz-harmonia-mundi-s-inspired-a-r-head-has-died

https://www.lemonde.fr/culture/article/2021/01/28/eva-coutaz-directrice-artistique-historique-d-harmonia-mundi-est-morte_6067945_3246.html

1943年ドイツのヴッパータール生まれ。72年ハルモニア・ムンディ入社、75年よりアーティスティック・ディレクター。創業者で夫のベルナール・クータズが亡くなった後はCEOとして同レーベルを率いた。製作に関わった録音は800点以上(!)にものぼる。2015年にベルギーのPIASグループに買収された後も1年間顧問として働き、引退。

およそ40年間にわたりハルモニア・ムンディ社に関わった、同社にとって、いやクラシック音楽業界全体にとって非常に大きな存在でした。ドイツ人でしたが、最期までフランスのアルルに住んでいたそうです。

クラシック音楽業界はスター演奏家たちだけでは成り立たず、むしろこういったあまり脚光を浴びないところで活躍される多くの方々によって支えられているのです。

ご冥福をお祈りします。今日は一日ハルモニア・ムンディを聴いて過ごします。