現代ロシアを代表する音楽家の一人。旧ソ連時代よりバロックから現代音楽に至るまで、タンジェントピアノからモダン楽器に至るまで、まさしく膨大なレパートリーを駆使して数々の記念碑的なコンサートを開催してきた。リヒテル後最も重要なピアニストと言い切っても過言ではない。録音もECMなどより多数発売している。
アレクセイ・リュビモフは、世界的なピアニスト、チェンバロ奏者である。スビャトスラフ・リヒテル亡き後、ロシアの古典から現代音楽までを幅広く演奏することのできる最後の巨匠といっても過言ではない。 モスクワ音楽院で伝説の名教師ゲンリフ・ネイガウスとレフ・ナウモフに師事。モーツァルトのピアノ・ソナタ全集やショパンのバラード全曲録音を行なった。
現代音楽の演奏も積極的に行っており、シェーンベルクやシュトックハウゼン、ブーレーズ、リゲティなどのソ連初演を数多く行なっている。このため当時のソ連政府より警戒され、1970年代以降の活動は制限されることとなった。 しかしその間も、ソ連でモスクワ・バロック・カルテットを結成し、当時ヨーロッパでブームを巻き起こしつつあった「歴史的な楽器による演奏」をモスクワや国内の聴衆にいちはやく紹介している。
ソ連崩壊が近づくにつれ徐々に制限がなくなってゆくと、ウィーン楽友協会、ザルツブルク音楽祭への出演をはじめ、世界の主要なホールや音楽祭に再び出演するようになった。そして1988年にはモスクワでアヴァンギャルド音楽祭「オルテルナティーヴァ」を設立するなど、極めて広範な活動を繰り広げている。 これまでにイスラエル・フィル、ロサンゼルス・フィル、ミュンヘン・フィル、サンクトペテルブルク・フィル、ベルリン・ドイツ響、BBC響など、世界を代表するオーケストラと数え切れない回数共演してきた。
共演してきた指揮者にはアシュケナージ、ネーメ・ヤルヴィ、ホグウッド、ブリュッヘン、ケント・ナガノなど世界で最も重要な名前の数々を含んでいる。 ロンドンを代表する古楽オーケストラのひとつエイジ・オブ・エンライトゥメント管弦楽団などの古楽器アンサンブルとは歴史的ピアノを用いての共演をしているほか、室内楽奏者としてアンドレアス・シュタイアーやナターリア・グートマン、ペーター・シュライアー、ハインリヒ・シフ、クリスティアン・テツラフ、ギドン・クレーメル、イワン・モニゲッティ、ヴィーラント・クイケンらの世界的な演奏家のパートナーを長年勤めている。
また2018年は、長年の際立った業績により、記念すべき第1回目となる「ピリオド楽器によるショパン国際コンクール」審査員の重責を担った。
Alexey Lubimov, piano
One of the most original contemporary musicians. After completing his studies with Heinrich Neuhaus, he was the first to awaken interest at the Moscow Conservatory in Baroque music (particularly performed on period instruments) and contemporary music. He is also an outstanding interpreter of Classical and Romantic works.
He has performed with the most celebrated orchestras, working with such esteemed conductors as Vladimir Ashkenazy, Neeme Järvi, Kirill Kondrashin, Christopher Hogwood, Roger Norrington, Mikhail Pletnev, Jukka-Pekka Saraste, Esa-Pekka Salonen, Vladimir Jurowski and Iván Fischer. In historical repertoire, he has performed with the Orchestra of the Age of Enlightenment, Wiener Akademie and Concerto Köln. In recent years, he has taken part in the project This is (not) a Dream with music by Erik Satie and John Cage, directed and performed by the French actress Louise Moaty, appeared in duet with Alexey Zuev, played contemporary Russian music, and also given solo recitals and performed in chamber repertoire on period instruments. In 2015, he received the Cage-Cunningham Fellowship.
His recordings include the complete Mozart piano sonatas, as well as piano works by Schubert, Chopin, Beethoven, Brahms and twentieth-century composers. Since 2003, he has recorded regularly for ECM, and recent albums have included Debussy’s Preludes and Cage’s As It Is (with Natalia Pschenitschnikova). From 2009 to 2014, he made recordings on period instruments for ZZ T/Outhere: Schubert’s impromptus, Beethoven’s last sonatas, Mozart’s complete works for two pianos (with Yuri Martynov), and Haydn’s Seven Last Words of Christ on the Cross (piano version). His most recent recordings have included Tangere (ECM), with works by C. P. E. Bach performed on tangent piano, an album of works for two pianos (with Slava Poprugin) by Stravinsky and Satie (ALPHA/ Outhere) and sonatas by Dussek (Brilliant Classics).