ヴァイオリニストドットコムに投票コーナーができていて、それというのが「貴君は紙の楽譜を愛するか。それともタブレットの楽譜をより推すか」という感じのご質問でした。アンドロイドは電気羊の夢をみますかみませんか。今日私はバレンボイムと会話する夢をみたんですが、それはダニー坊がいま東京にいるというその事実と無関係ではありますまいて。
https://www.violinist.com/blog/laurie/20215/28786/
で、投票の結果が面白いなと思ったんですが、どうだったと思います?
なんと、タブレットをプリファーする(より好む)人たちの割合はごくわずか=20%に過ぎず、残り80%は紙だと答えたのです(投票数433/6月1日朝現在)。なるほどー、と思ったものですよ、私は(倒置法)。
この投票はインターネット上で行なわれているので、回答者はインターネットや電子機器といったものに対する抵抗があまりない人達であることが想像されるわけですが、それでもなお、紙のほうがいいよという人のほうが圧倒的に多いというのが面白いなと思ったんですよ。かくいう私も紙のほうがいいなと思っているおっさんの一人ですけどね。
やっぱり書き込みは圧倒的に紙のほうが便利(な気がする)。いくらスタイラスペンで書いたり消したり自由自在といわれても、落ち着かない(気がする)。気持ちの問題かもしれないけど、実際に鉛筆を使って書いたり消したり、という動作が、曲を理解したり記憶したりする助けになる(ような気がする)。
それからぱらぱらっとめくるのも紙のほうが絶対にいい(と思うけど)。うまく目的の箇所を見つけられる(ような気がする)し、反対にタブレットだと、下のツールバーをスライドさせてパラパラやってもなんか見つけづらい(気がする)。虚しさが残る(ように感じる)。
ま、上記はいずれもなんとなく、っていうだけで、実際にタブレットに慣れきっちゃうともう後戻り出来ないのかもしれない。この記事のコメント欄にもそうだなと思うコメントがいくつかありますが、
●専用のペダルや顔のジェスチャーで譜めくりができる(譜めくり不要)
●薄暗いところでも照明不要で演奏ができる
●タブレットが壊れたらどうするという意見があるが、実際に壊れたというケースは聞かない(どうにも心配なら予備を持ち歩けば良い)
●風が吹いても飛ばない(←これは大きい)
●軽い(楽譜を持ち歩いてごらん。すぐに腕がちぎれるほど重くなるから)
紙の楽譜の一番の困ったちゃんである、風対策がしっかりなされているタブレットは、その点一つだけをとってもとてつもなく便利であると言えましょう。空調で、あるいは折り目がうまくついていなかったがためにふわーっと前ページに戻ろうとする楽譜や、事あるごとにお辞儀する(倒れる)楽譜の始末はいかに大変なことか・・・・(タメイキ)。あと繰り返しで「何ページ戻るんだっけ?」と言う絶望的な悩みも無用。私は最近シューベルト《ます》の譜めくりをやりましたが、何ページも戻る、何度も戻る、という作業をやって、本番中に本当に胃がキリキリと痛むようだったよ。
今後技術が進歩していって、紙の楽譜に書き込んだり消したりしたらそれがリアルタイムで「アップルならワンタップで、ほら」でタブレットの楽譜に反映されるようになったらもうそれは、タブレット一択ですね(ってそれ、結局両方使ってるやんけ)。