私が長い間個人的に疑問に思っていること。いっぱいあるよね。普段は憶えていないぐらいのミニミニな疑問を突如として思い出し「あ、そういえばこれってどうなんだっけ」と思うってこと、ないですか。
あるある、ある!!
素晴らしい賛同の声からたいへんな力を得ました。今日はその「プチなぜだろうなぜかしらシリーズ」に属する質問についてである。
オペラ歌手は大地をつんざく大音量でお歌いになる。しかも死ぬ間際とかにお互いの頬をくっつけてオンオンとフォルテシモでお歌いになることもしばしば。そう「愛フォルテシモ」(←クリスチーネ剛田のマンガのタイトルや)。
そんなに大声で近くで歌ってお互いの耳に悪い影響を及ぼすことはないのか。ロドルフォはじゃかあしいわ!とミミをどつきたくなることはないのか。ヴィオレッタはカラフに対して黙れ!としばき倒したくならないのか(登場人物混ぜるな)と疑問に思っていたのだが、まあ社会問題になっていないようだからさほど問題ではないのだろうと思って歌手の方々に聴く機会をずっと逸していましたところ、積年の疑問に答えてくれているページをさっき見つけたのでご紹介する。
Readers reply: why don’t opera singers deafen each other?
https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2021/nov/07/readers-reply-why-dont-opera-singers-deafen-each-other
これは読者からの回答、ということで、何人かが回答を寄せている。勝手な推測にしか過ぎませんが歌のエキスパートの方々なのでしょう。
●直接相手の耳に向かって歌わない。むしろアメリカにおいて大規模なツアーではオーケストラの音が舞台上で増幅されて響かせられることがあり、そちらの方が耳障りになることがある(ミュージカルかな?)。
●ほとんどの場合歌手は心配するほど近くない。それよりもオペラ歌手は普段狭い部屋で一人で練習を続けた結果聴覚障害を起こす可能性のほうが高いと言われている。
●オーケストラ奏者が耳栓をしているのもを見たことがある。
●他人に向かい直接歌うことはしない。愛のデュエットを至近距離で歌うときも指揮者や客席の方を向かう。劇場は巨大な空間であるから、音がすぐに分散する。もちろんうるさいときがないわけではないが、それはオーケストラ奏者も同じだろう。
●(相手が)直接自分の耳に歌ったため一瞬耳が聞こえなくなった。幸いすぐおさまったが、その晩はずっと違和感があった。お互いに向き合っているようにみえても、きちんと角度をつけている。
●オペラ歌手は客席後方に声が聞こえるように(声を投射するように)訓練されている。なので自分の声がステージ上ではよく聞こえない、ということもあるほどである。(声は)一緒に舞台に立っている人の鼓膜を破るためではない。
●うまく歌えているときには自分の声は大きく聞こえないものだ。経験を積むうち、誰か他の人の耳をふさぐような位置に自分がいてはいけないことを学ぶものだ。
なるほど大変興味深い。や、今日は朝から勉強になった。