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グールドは練習嫌いだった。が、真似してはいけない

最近グールドごぶさたしてるな、と思ったんですよね。最近聞いてないなって。カナダ出身の伝説のピアニスト、グレン・グールド(1932-1982)はピアニスト界隈の人なら一度は「はまって」、その後継続的に好きか嫌いになるか分かれると思うんですが、私は中学生以降、好きが継続しています。高校のときグールドの映画も見に行きました。《グールドをめぐる32章》っていうやつ。京都のみなみ会館で、レイトショーかなんかだったように記憶しています。もう30年近くも前の話や・・・。

大学1年ぐらいの時までにはグールドのCDはソニー・クラシカルのやつ、全部とはいわないがかなり集めましたよね。

グールドが練習嫌いなのはよく知られていた、かどうかわかりませんが、グールドの伝記とか読むと出てきますね。一ヶ月ピアノに触らなくても全く問題なく弾ける、とか言っていたように思います。レブレヒトのブログにグールドの話が出てたので、ああそうだったな、と。

書いていて思い出したんすけど、ホロヴィッツも、少なくとも晩年はあまりピアノの練習をしなかったんですよね。40分ぐらい弾いて「ああたくさん練習した、みたいなことを言ってた」ってワンダ夫人が言っているのをVHSで見た記憶があります。

しかしこういうのは子どもに悪い影響をあたえると思うんですよね。練習はやっぱりしないとだめですよ。練習しなくてもなんとかなるというのはずば抜けた身体能力と頭脳を「たまたま」併せ持つことになった天才にしか出来ない芸当で、その天才も怠けているうちに錆びついていくし、天才たちにしても自分たちが小さかった頃はものすごい鍛錬を積んだに違いないのだから。

そしてもっと問題なのは、世の中にはピアノの練習をしないことを自慢にしているピアニストが何人か(何人も?)おられることでしょうか。「いやー練習してねー、やべー」とか言いながら演奏されます。が、これは個人的にはあまり気持ちのよいものではないなと思っています。もしかするとそういいながらめちゃくちゃ練習している可能性もあるのでなんとも言えませんが、練習してないならだまってろ!!それで弾けるんならそれでええやんけ!!!!やべーと思ってるなら練習しろ!!時間がない?作れ!!

あと、自宅にピアノを持っていないことが自慢、というプロのピアニストもおられます。「いやー、おうちにピアノがないから・・・。」だまってろ!!!ピアノ、買えよ!お金ない?隣近所に迷惑?なら電子ピアノでええやんけ!!買って練習しろ!!!……ゼイゼイハーハー。

……がらにもなく興奮して取り乱しました誠に申し訳ございません。

一日に10時間11時間練習することがいいとはいいませんが「練習しないアピール」も、みっともないと思います。ぜひ、大人な皆様は適度に、ほどよく、ただしく、頭を使って練習することを表明すべきと思います。練習、勉強、遊ぶ、食べる、寝る。

グールドみたいな伝説的な天才は別。私達は伝説どころかただの凡人なのです。