今日は珍しくいらすとやの画像を使ってみました。さて、ウィーン少年合唱団が破産の危機にあるとのこと。寄付を募っています。以下ページに寄付の詳細があります(英語です)。
https://philanthropy.wsk.at/en/donation_form_new
ウィーン少年合唱団というのは「特別なブランド」です。少年合唱団と聞けば多くの日本人の頭の上にはウィーン少年合唱団の名前、あるいは例の、ちびっこ水兵さんのような制服が半自動的に浮かぶようになっているのではないでしょうか。
ああ危機だなんて大変だわ!コンサートのチケットを買って応援しましょう!
さて、危機に瀕しているのはウィーン少年合唱団だけではなく、ありとあらゆる音楽関係団体が危機に瀕しております。そもそもコロナでコンサートの数が世界中で激減している今、あらゆる団体のキャッシュフローは悪化している。黒字倒産だって十分ありうる。
一般のお客様が、危機に瀕した団体にできる支援はおそらく以下の2つでしょうか。
1:チケットを買ってコンサートに行く
チケットを買ってコンサートに行く、という支援はとてもとても(×無限)ありがたいことです。チケットの売上は直接すぐに演奏側に行くわけではなくて一旦コンサート主催者のもとに入るわけですが(演奏家や演奏団体自身が主催者の場合はダイレクトに行きます)、全国、全世界にたくさんあるコンサート主催者団体の皆様が「この演奏家/演奏団体のコンサートを主催するとチケットが売れるぞ」と認識すれば、次回の開催、あるいは継続的な開催へのモチベーションとなるからです。
裏を返せば、あるコンサートのチケットが何をどうやったって売れなければ、「もうこういうたぐいの物は今後一切やらない」っていうことへのモチベーションともなり得ます。教養として必要だから、とか、意味があることだから、とか、なんかよくわからないけど高尚そうだから、とかいう大義名分だけではコンサート活動は成立しないんですよ。「売れることが大正義」っていう言葉はなかなか大声で言いづらいかもしれませんが、売れることはやっぱり大正義です。
一回とかなら赤字でもなんとか、みたいな考えも必要だし、主催者の多くはそういう考えで動いています。でも赤字ばかり続けば、そもそも主催団体として体力が持たないということはあまりにも明白な事実です。
なので、ここだけの話ファンの方は支援のため熱心にあちこちのコンサートに通われることをオススメ。えっ言われなくてもやっている?さすがだ!!ありがとうございますありがとうございます!!!!!
まとめ:チケットが売れると演奏家、演奏団体の収入が増えるし、先の公演も決まりやすくなる。なので、長い意味において「チケットを買ってコンサートに行く」という行為は非常に大切。
(いま市松模様で50%、もしくはそれ以下しか入場出来ない会場が多いですが、50%のチケット収入で収支が黒になるような団体はほぼない、ということは書き加えておきます)
2:直接寄付をする
今回のウィーン少年合唱団の場合、たぶん事態はもう少し切迫していると思います。合唱団のウェブサイトに寄付のページ(上述)が出来ていますし、できたら継続的な寄付をお願いしたいというような書き方になっていますから。
日本の文化では寄付、という言葉はこれまであまり好まれていなかったかもしれませんでが、このコロナで以前よりも少し恥じらいなく行われるようになったかもしれません。迅速で団体に直接的な支援をしたいと思われる場合、直接演奏家や演奏団体へ寄付金を払うというのもありです。
自分が行ける場所でひいきの演奏家/演奏団体のコンサートが予定されているのはだいぶ先かもしれませんし、チケットを買う前に演奏家/演奏団体が活動を止めてしまってはチケットは買えませんしね。
どちらも大変嬉しく、大変ありがたい
さてでは1と2のどちらが大切で優先順位が高いかと言われると、どちらも同じぐらい重要かなと思います。演奏家/演奏団体が資金難で活動を止めてしまいコンサートがなくなってしまうと大変な打撃ですが、そもそも演奏家のコンサートを主催する「主催者」という存在が世界各地になければ、この世の中の多くの演奏会の多くは開催されていないからです。
コロナが落ち着いてまたコンサートが活発に行われるようになったら、チラシとかプログラムブックのだいたい隅っことかに、申し訳無さそうに書かれている主催者の名前にも注目するようにしてください。いろいろな団体があって、その団体によって様々な特色がある、ということを知っていただけると思います。
2020/7/10追記:
予定されていた今年のウィーン少年合唱団の来日ツアーは結局中止となったそうです↓全くもって残念です。
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【まとめてあります】合唱とコロナに関する当ブログの記事一覧は以下ページにまとめてありますので併せてお読みください↓