ピアノを動かすにはどうするか。仕事柄ピアノのお引越しはたくさん目にしてきましたが、見ているこっちも思わず力が入っちゃうぐらい、重そうに重そうに運ばれていきます(重いんです)。
家庭のアップライトピアノだってクソ重いので、専門の業者さんに頼む必要があります。小さなアップライトピアノだって200キロとかあるんですよ。200キロ。うちの長男たしかいま18キロぐらいなんで長男11人を持つようなもんですよ。持てますか。持てる持てない以前に長男が11人もいきなり現れたら、わたしならそれだけで泡吹いて倒れるけどね。
パンダとかゾウさんとかカルガモさんとかの、屈強なお兄様方にだってピアノは無理。ただでさえいいろいろ運ばされてヒーヒー言ってるのにピアノなんか勘弁してくれよ。
というわけで普通は専門の業者に頼むことになります。高いです。6ケタは覚悟して下さい。
それで、頼みますと実際にお来しになのは2人とか3人とかなんで、本当に運べるのか、とか思っちゃいますけど、運べます。手際よくピアノを分解し毛布とかで包み、さらにその上にダンボールをかぶせたり木枠に載せたり、さらにそれを紐でぐるぐる巻きにしたりしてガッチリといろいろ固定して、安全を確保してから、運びます。
普通によいしょと持つのではなく、腰に太いベルトのようなものを巻き、それをピアノに回して、腰の力でうりゃー・・・プルプルプル・・・・とやっていただくわけですね。当たり前ですけど、持つ時間はできる限り短いほうがいい。平らなところはできるだけ台車で行く。でもエレベーターにはたいてい入らないし、クレーンが使えないような狭い場所の場合は階段を持って上がるということになり、見ている方が不安になったり申し訳なくなったりするものです。ありがとうございますありがとうございます。心のなかで深くお辞儀し、そっと手を合わせるのです。なお、階段や段差が増えるたびお値段も上昇していきます。
劇的な解決策を発見
しかしこのフランス製のピアノリフトを使えばその悩みも解決するわ。一発やろ。
駅のホームで飲み物を運ぶマシーンとかありますやんか、キンコーン、キンコーンとかチャイムを鳴らしながらゆっくりと階段を進むあれね。基本、あれの強力版だと思ったらいいと思うんですよね。段差も階段もキャタピラで楽々登れるし、落下防止対策なんかもいろいろとられている(はず)。
普通グランドピアノって300キロから500キロぐらいなんです。スタインウェイDは480キロです。こちら耐荷重は600kgとなっておりますので、580キロの異様な重さを誇るFazioliの308だって運べる、つまり世の中のどんなピアノでもOKと言ってしまってよいでしょう。ありがたやありがたや。一人で運べるとか書いてあって、ほんまかいなと思いますけど、慣れたら本当に一人で運べそうな気もする。不安だけど。
というわけであとは気になるお値段なんですが奥さん、あっちこっちのサイトを覗いてしらべてみましたところ、あるサイトに17,940ユーロと記載がありました。200万円ぐらいやね。既に100台以上売れているそうです。累計販売2億円を突破!!!購入者リストもウェブサイトにはありますが、日本はまだないみたい。日本初導入も夢ではない。お急ぎ下さい!今から30分だけオペレーターを倍にしてお電話お待ちしております。既にお持ちの方おられましたらご連絡ください。取材に伺いたい。
いきなりどこかがボキー!!って折れたり、いきなりボテーッ!っとピアノが落下したりしたらめちぁめちゃ大変なことになりますが、多分そのへんは大丈夫なんでしょう。ほら、Pianolift 2ってなってるから、すでにバージョン2なんですよ。多分なんか大失敗とかがあって(失礼な想像をするやつ)、改良されてるからへいきへいき。一人で運べるとか書いてあるから。
それでも信じないっていう人は以下の動画をご覧になったらどうです。
動画を見てもなお信じないっていう人は・・・もう知らん。