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公演の「中止・延期」を100%確実にご購入者に伝える方法はないのか、主催者の苦悩

コンサートが徐々に戻ってきているとはいえ、まだまだその数は少ない。多数の主催者が(われわれを含め)様子見をしている感じかなと思います。

コンサートは少なく、特に「来日もの」は絶対ない、というのが皆様の認識となっているので、お客様へのコンサートの中止連絡は比較的問題発生率が低いかなと思っています。しかしコンサートがふたたび活発化したらどうなる。

海外演奏家の来日については、今後しばらく不安定な感じが続くのではと思っています。やっぱり中止、やっぱり延期、ってこともあると思うんですよ。

こういうときの問題の一つが「中止や延期をどう確実にお客様にお伝えするか」です。これは頭が痛い。中止・延期の経験を持つ主催者の方なら誰もが、夕日に向かって涙を流した事があるかなと思います。ほぼかならず「知らなかった」お客様が会場にお見えになるからです。

中止や延期の情報は現状どのようになされているか

ではどうやってお伝えするのがいいのか。「全員に、つながるまで、電話をかけつづける」っていうのが一番確実のように思いますが、途方もない時間がかかります。お金もかかります。人手とお金に余裕のある団体にしか出来ません。

多くの主催者の方が取っている現実的で迅速な手段は「メール」だと思います。メールに加え、ウェブサイトでの掲示、SNSなどで発表。これが基本。メールアドレスをこちらが存じ上げない方は別の対応。

①電話番号がわかっていれば電話をする
②電話番号が分からず住所が分かる場合、はがきなどをお送りする(ただしこのケースはめったにありません。住所は教えたくないという方も電話番号は比較的教えてくださるからです。なるべく携帯電話を教えてもらうのがいいです)
③電話番号も住所わからない場合:お手上げ

※窓口でチケットを買った時に電話番号や住所、メルアドなどを聞かれる場合があると思いますが、それはこういう時に連絡がつけられるように、という理由もありますのでどれか一つだけでもどうか教えてあげて下さい。

「個人情報は何が何でも知らせたくない」という敏感な方も世の中には居られます。そういう方についてはこちらから積極的にお知らせする手段はありません。ネットで見てくださることを願うのみです(なお自衛のため「延期中止の時に連絡がつかないがいいですか」と念押しして販売します。そののち、念押しして了解をもらっている、とメモをしっかり残しておきます)。

というわけで基本はメールなんです。

メールは届かないことがある。届いても読まれないことがある。

ところがメールも万能ではない。メールの場合はそもそも届いたかどうかわからない。「いや、メール届いてないから!!」とどやしつけられること、あります。申し訳ありません。

「メール届かない現象」っていうのは3つあって、1つは本当に届かない場合。メールが戻ってきたならまだいい方で、虚空の彼方へ消えるっていうのもある。「メール届かないけどどうなってますか」といった問い合わせで発覚します。

そんなときには恐る恐る「こちらからのメールが届くように設定して下さい」と言って説明を試みるのですが、通じたためしがありません。私のスマホでどうやったらいいの?やり方教えて、え?え?なんなの、なに?わからないよ。・・・そして最後は「そもそもメールが届かないなんてお前らのシステムがなんたらかんたらーっ!!」。申し訳ありません。

もう1つが届いていても読まれていないパターン。届いたメール全部を読まない人ってけっこういるみたいなんですよ。あるいは「読んだけど完全に忘れている」っていうパターンも実はあるんではと思っています。

自動的にスパム判定されてスパムフォルダに行っているケースもあります。スパムフォルダは定期的に見ない方、多いと思います。スパム行きが減るようある程度対策は出来てもゼロには出来ないのではないでしょうか。

郵送ならよいか

「中止や延期は必ずはがきでも送ってこい!メールは読まないんだよ!!」というクレームを受けたこともあります。ところがですね、その反対に「メールで来ているのにはがきも送ってくるとかお前ら頭悪いんちゃうか?どっちかにせえやアホ!!」という罵倒の声をいただいたこと、あります。ご満足頂くのは難しい。

それに「はがき?届いてない」という方、おられます。「ポストあんま見ないんだよね」(これがけっこうあるんだ)。

「送ってないんじゃないの?」・・・・ご住所は合っているみたいですしこちらには差し戻しされておりません。もしかして郵便事故・・・でしょうか。「なくされたのでは?」などとは口が裂けても言ってはいけません。地響きとともに富士山頂よりマグマ大放出となります。

じゃあ書留で送る?そうなるとまわりまわって皆様のチケット代金に跳ね返ります。「チケット代上げるとかお前らの企業努力が足りないんだよ!!」・・・・申し訳ありません。

やんぬるかな。ここに至り我々はもはや身動きが取れず、お互いの肩と肩をひしと抱き寄せ、辺り構わずわんわんと大声を上げ泣くのだ。

お客様は・・・・神様です(神様ではありません)。

でもねえ・・・実際に中止・延期公演の会場に、知らずに来ちゃったお客様のやるせない思い、徒労感っていうのでしょうか、その気持は理解できますよね。自分が同じ立場だったら、心臓がキュッとなりますもんね。

「えっ、今日コンサートじゃないの?」

「申し訳ありません、中止になっております。」

「えっ・・・」

「ご連絡はメールにて(はがきにて)させていただいたんですが・・・」

(耐え難いしばしの沈黙)

「・・・・せよ。」

「えっ・・」

「金、、、、返せよ」

この言葉がきたら震え上がる。次にくるフレーズ:

「ここまで来るのにかかった電車代、返せよ!!ああっ?!」と俄然ヒートアップ!!

申し訳ありません。それはできかねます。チケット代金はご返金いたします。そしてこのあと30分の押し問答が待ち受けるのです。あまりにも怖いので省略させていただきます。

絶対的解決策はないのか

前売りなし、当日券だけにしたら問題そのものが消失するんですけど、それはあまりにリスクが高くて無理。

・・・と、言うわけでお願いです。どなたか、絶対に中止を確実に100%ご購入者の皆様にお伝えできる方法をご存知ではないですか。ご存知の方、教えて下さい。お教えいただいた方には賞金としてガリガリ君を20本差し上げます。当たりが1本ぐらい入っているはずです。

無理だから諦めていいよってことだったら諦めます。泣きながらバッキャーロ!と山に向かって叫んでおくので。