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師アレクセイ・リュビモフとアレクセイ・ズーエフ

アレクセイ・ズーエフ。送られてくる写真に笑ったり、微笑んでいるものが一つもない。
ズーエフの恩師のリュビモフにその事を言ったら。
「彼は不器用で、音楽する事に全てを捧げているのです。“演奏”ですらない。
it’s not making music. He is music”
『音楽に対峙するその姿勢は求道的精神により形づけられている
これこそ私の音楽に対するアプローチであり、
同じ方向性を見てる我々は師弟という枠を超えて連弾を通して音楽の仲間である』

今回の子供の為のコンサートでも彼の立ち位置が判る。
ナウム・シュタルクマンの「不器用は音楽家にとって最大の美徳」という言葉を思い出した。(その時のワンおばちゃんとシュタルクマンの会話の続きは「どう見ても貴方が不器用には見えませんがね」「無い物ねだりだ。不器用な人が努力して器用にやれる部分はあるかもしれないが器用な人間は、綺麗に纏まって不器用にはなれない。上手ても良くない音楽があり、下手でも良い音楽がある。要は音楽は上手、下手ではなく、音楽そのものの問題なんだ」「何だか貴方のような方に言われてもね」)
「上手いピアニストと言われたら最大の侮辱だ。」と叫んだのはリュビモフである。リュビモフ門下の最も不器用なピアニストが「大いなる音楽」を提げて来日するのを心から待ち遠しいワンおばちゃんである。

アレクセイ・ズーエフ来日公演は下記をご確認ください。