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アー写の作法

アーティストは写真を撮ります。私も仕事柄、たくさんのアーティスト写真、略してアー写(ああしゃ)を見てきました。アー写。いきなり電話口でアー写、って言われても、知らない人はちんぷんかんぷんですよ。こういうジャーゴンを作ってはいけませんよ。ってジャーゴンっていう言葉の意味もわかりませんよね。ジャーゴンってなあに?こういう意味です。・・・・また一つ賢くなったね!(なっていません)

まあそうは言っても、奇抜なアー写っていうのは、思い起こしてみても、そこまでありませんでしたね。

変わったアー写って記憶に残っているのは、お花畑のようなスーツを来て、花柄の背景でチカチカしそうな、でもきれいな感じに仕上がっているアー写でした。それはシュテファン・テミングというリコーダー奏者のものでした。こういうのです。

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#coverman #vivaldi #recorderplayer #classicalmusic #flowerpower #haraldhoffmann

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まあそうは言っても、そこまで劇的に奇抜というわけではありませんかね。

そもそも、だいたいのアー写は、特にクラシック音楽の演奏家のものは、おとなしい。だいたいが首とか胸辺りから上で、アーティストは正面を向いていて、ニッコリ笑っている。あるいは楽器を手にして、にっこり微笑んでいる。 (笑っていたほうがイメージが上がり売上があがるとかどこかで読んだ気がしますが本当かどうか自分で検証したことはありません) ピアニストであれば、ピアノの前に座って演奏している風の写真もあります。

まあ楽器を手にしていた方がぱっと見てすぐ何やってる人か分かるからいいよね。指揮者ならバトン。

で、ここからが今日のお話なんですけれど、朝起きてロン=ティボー国際の出場者が出たというニュースを目にしたのです。そこに若きピアニストたちの写真がばーっと出ていたんですよ。これです。

どうですか。あなたの目は一瞬にしてある一人のピアニストの方に釘付けになりませんでしたか。そう、一番上、左から三番目の人です。オテテを見せているひとです。

これは・・・奇抜とは言わないが独特だ。目立ちたい、それは大切なことだと思います。思わず私もこれ誰だって検索しちゃったじゃないか。

人とは違うこと、それは重要です。いや見た目だけ違っていてもすぐに化けの皮は剥がれるので要注意でございますが。それよりもなによりも、演奏がすんげえこと、それが本来的には全てではあります。

それではロン=ティボー国際において皆様が実力のすべてを出し切って悔いのないコンクールとなるよう、陰ながら祈念致しております。今週も張り切ってがんばりましょう。夏はすぐそこだ!