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コンサート制作の裏側シリーズ。ちらしには何を書くのか

コンサートのちらしとかを見ていますと、いろいろな情報が、あるときは大きく、あるときは小さく、あるときは思い切り小さく細かな文字でいろいろと書かれていることがあります。

ちらしに必要な情報というのは、そう、いろいろあるのだ。いろいろっていうけど、何が必要なのかわからない。そんな皆さんのためにきっとなるであろう、必要な情報をおしらせいたしましょう。

ザッツ・役に立つかどうかわからないお勉強シリーズ!!

うちの長男(4歳半)はいま、九九のお勉強をしています。果たして口にしていることの意味が本当に理解できているかどうかは置いておいて、ともかくににんがしにさんがろくにしがきゅうとか言っています。真似して次男もゴイチガゴ!!と絶唱いたしますが、こちらは単に言葉を暗記しているだけでありましょう。掛け算の概念がわかる2才児がいたら天才すぎるぜ。

例えば、演奏者の名前。これはまあ忘れる人はいませんね。それから楽器名もあった方が優しいね。ピアノソロのコンサートならピアノ・リサイタルなどと「楽器+リサイタル」という言葉も、普通入れます。特殊な場合はリサイタルという言葉は入れませんがまあこれについてはそのうちまたお話させていただく機会もございましょう。

おおかた3人以上の室内楽になりますと、リサイタルという言葉は消え、代わりのタイトルが必要になってきますが、これは演奏家たちが自分たちのアンサンブル名を持っていたらそれを使うし、そうでなければ適当にこっちでつけることもあるし、相談して決めることもあります。

なお、演奏家の名前は英語でも書け、というお電話をかけてこられる方もごくたまにおられるので、演奏家の名前には欧文表記も、めっちゃ小さくていいので、足しておいていいでしょう。特に初来日の演奏家とかのときは。(ちなみになんでこういう事を電話してこられるかといいますと、演奏家についてググるときに名前が日本語だけだとわからないから、だそうです。わざわざググっていただけるなんて!大変ありがたいことです。そうは言ってもこういった電話などの対応に時間を取られるぐらいなら最初から書いちゃうのが良いでしょう)

その次にキャッチコピー。いや、むしろキャッチコピーの方が演奏家の名前より重要だったりしますが、練りに練ったものを書かれると良いでしょう。キャッチコピーでチケットが売れることも売れなくなることもあります。

それから会場名、日時。スペースが許すなら会場への地図も入れます。

意外と忘れがちなのが発売日(これは自戒を込めていうのですが)。発売日が書いてないと、発売前に電話がかかってきちゃってその対応に時間が取られます。自分の首を締めます。たまに無駄な電話をかけさせやがって!と電話口で怒られることもあります。お詫びしなければなりませんね。こういったことでお客様を怒らせてはいけませんね。やっぱり発売日は書きましょう。

発売日以降に作成するちらしだったら発売日は不要ですが、発売中とかそういう文言があったほうがいいですよね。そうでないと、売ってるの売ってないの?というそういう不安感をお客様に抱かせてしまいますね。お電話を頂くときに、売ってるんですか、と聞かれることになり、時間が余分にかかることになる。

そして演奏曲目。全曲乗せる必要はありません。順番もバラバラでけっこう。目玉の曲を大きく書いてもようございます。

それからチケットのお値段ですね。お値段が書いてないと、怖くて注文できません。時価、とかいうことだったらますます怖いですね。私は一度、キリル・なんとか、というピアニストと愛知県で寿司屋に行き、メニューとかなんにもない状態でガンガン頼んで二人でゲハハゲハハと笑って(私はなんと下品な笑い方をするのだろう)飲んでましたその結果、会計のときのお値段に目が飛び出たことがあります。忘れずお値段も記入するように気をつけましょう。

あとはチケットを買うためにコンタクトするプレイガイドなどの電話番号やURLを書く。複数ある場合は複数書く。忘れがちだが忘れず書く。それから後援とか共催とかそういうのがあれば書いたり、ロゴがありますよということならロゴも忘れずに入れておく。

友の会があるのなら、それに入ってよ的な文章もあるといいかもしれませんね。

あと裏面を作るのであれば、そっちには演奏家の写真とプロフィールを書くのがスタンダード。それに加えてもう少し裏面のコピーとなんか文章を書いてもいいですね。プロフィールって基本的にクソ真面目でまったく面白くない読み物なので、それを補う意味もありますね。だれかおもしろくてためになるプロフィールを流行らせてくれよ。

えーっと、だいたいこんな感じでしょうか。なんか忘れてるような気もするけれど、まあ、そのへんはてきとうに。あ、写真ね。写真も入れましょう。写真もいい写真よくない写真があるように感じています。写真の良し悪しで、売れ方も変わると思います。

そして一番重要な事を最後に書いておきますね。お客様は、ちらしを、読みません。これかなり重要なんですが、お客様は、ちらしを「眺めます」が「読みません」。

どういうことか。つまり、眺めただけで「買いたい!」と思っていただけるようなチラシづくりを心がけたい、ということです。これはお客様を馬鹿にしているわけでもなんでもありません。自分だっていざちらしや広告を目にしたら、眺めるけれどなかなか読まないですよね。へえっと思って初めて読み始めるのではないですか(えっ。自分だけ?)。これがいつも難しいなと思っている点です。