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オーケストラ究極のサバイバル術

Photo Strad

オーケストラってすごいよね、みんなが正しい音符を演奏して・・・と思っておられるかもしれませんが、もしかするとそれは正しくないかもしれないというお話。

あるオーケストラ奏者が語るには、彼女はオーケストラ奏者として「演奏しているふり」をしていることがけっこうあるという。とてもよくない、ようにも思われますが、ここにオーケストラ演奏のすべてが詰まっていると申し上げても良いかもしれない。よくぞここまで言ったと言う気持ちと、ここまでいっても大丈夫ですか、今後のあなたのお仕事に支障はきたしませんかと、やや心配になります。いや、やっぱり心配だ。大丈夫ですか。

https://www.thestrad.com/education-hub/fake-it-til-you-make-it-the-art-of-orchestral-faking/14494.article

人は事実ではなく、自分が信じたいものを信じる。音楽についても、実際に聞こえる音ではなく、その後ろに流れるストーリーを聞いていることの方が多い。これは確実に事実だと私は信じています(と信じている)。

オーケストラ奏者だって人間ですから、常に完璧というわけではない。いつもいつも完璧に弾けるわけではない。準備しなければならない曲の量が多すぎて準備が間に合わないかもしれない。あるいは、やばいぐらい難しい曲にあたるかもしれないし、もしかするとそれは両方いっぺんにやってくるかもしれない。その時、オーケストラ奏者は何をするか。「フェイク」と彼女は言う。

リヒャルト・シュトラウスの《サロメ》は強烈に難しく、洗礼を浴び呆然と?していた彼女に対して20年経験を積んだ同僚が言った言葉「これは単なる雑音だから気にしないでいい。金管楽器がかき消してくれるから」。

ぜんぶの音を完璧に演奏などできない。うまくやるこつは、「柔らかいパッセージを引くときは目を大きく開き、反対に速く大きな音を出すときは眉をひそめる」

さあ、これは不誠実なのか、それとも生き抜くための知恵なのか?

え、わたし?私自身は演奏しないのでジャッジできる立場にないのですが、こういう演奏家がいっぱいいるオーケストラを聞きたいとは思いませんがね(めっちゃジャッジしてる)。