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「ロンドンなら船便、6ヶ月です」

5月に、MCSでは外国人アーティストを久しぶりに招聘します。22歳の指揮者、アンガス・ウェブスターの日本デビューです。名古屋フィルの定期演奏会、ヴォーン=ウィリアムズ生誕150年を記念し、5番の交響曲ほかを指揮いたします。

名フィル第501回定期演奏会
〈ヴォーン・ウィリアムズ/生誕150年記念〉

https://www.nagoya-phil.or.jp/2022/0210170031.html

MCSツイッターのヘッダー画像もアンガス・ウェブスターにしてみました(本当は東京交響楽団、大阪フィルの公演が去年9月に予定されていましたが、残念ながら来日できませんでした。なので今回がデビューとなります)。

MCSにとって海外アーティストは昨年のティモシー・リダウト以来およそ一年ぶり。この間にも水際対策はきつくなって、ゆるくなりました。いまもまだ渡航には制限がついていて、提出書類も増えていますが、ティモシー・リダウトのときのような厳しさはない。

しかしこのコロナと戦争で郵便物も影響を受けているということであります。昨日、郵便局で「EMSっていま、ロンドンに送ったら何日でっしゃろか」という質問をしに行きましたところが、なんと「いまEMSや航空便は取り扱っていない、船便のみ、ロンドンでしたら半年ぐらいっかな。」という解答が帰ってきて、くらくらといたしました。

確かにかつて手紙は船便だったわけですが、それでも半年かかるとか、さすがに聞いたことがない。ものすごい時間だ。

私の頭にはフワフワとプロコフィエフのことが浮かんだんですよ。1918年にプロコフィエフは日本に2ヶ月滞在するのですが、それはロシアからアメリカに亡命するにあたって東廻りを選んで太平洋を渡るというルートをとったからです。シベリア鉄道でえんやらどっこいウラジオストクまで来て、福井県の敦賀港に船で到着。6月頭に東京に出たものの、8月2日まで次の船が出なかったので、2ヶ月日本で遊ぶということになったのだ。

8月まで船が出ないっていうのをたぶん東京に出て初めて知って、じゃあしょうがねえや、って関西に戻って京都や奈良を観光している。それからまた東京にもどって軽井沢と箱根にも。いよっプロコフィエフ優雅!お金持ちっ!ってそうではなくて、時間の流れがおだやかだったのだろうなと思います。

いや、でも半年もかけてられないもんねこのご時世、と、FedExに電話をすると、コロナの影響で減便していて、遅れる可能性がある、と言われました。いやあ、遅れると怖いもんね、と思いDHLに電話したら、全く問題ない、うちは自社便を飛ばしております、遅配ございません、明日(今日)送ったら月曜にはロンドン到着や、と自信を持ってご説明をいただいたので、私は本日喜び勇んでDHLに赴いて(より正確にはアクセアに行って)投函することを決意したのである。

DHLバンザイ。