美味しい食べ物は大好きです。嫌いな食べ物はまずい物です。そういう毒にも薬にもならないジョークを言ってハハハと軽く引かれる、そういう生活を送っています。（どういう生活なのでしょう）
グルメ本とか、キワモノグルメの本とか、いっぱい読みました。シュールストレミングとか韓国のホンオフェとか、エスキモーのやばそうなキビヤックとかいう食べ物（詳細は自粛します知りたい人はググってみてね。たしか植村直己は好きだったそうです。昔読んだ本に書いてあったと記憶）とか、世の中にはいろいろな食べ物があります。とりあえず知識として知ってはいるけれど、食べるのはちょっと無理だろうなと軟弱な私は思っています。
昨日、池袋という大都会を歩いていて、ドイツ発のお菓子、ハリボーを目にしました。それを目にした瞬間、思い出しました。《黒いハリボー》。もちろん大都会池袋には黒いハリボーは売っていませんでしたので、念のため。ご存知ですか黒いハリボ（上の画像）。リコリスっていうなんかの薬草らしいんですけど、これがね・・・・激マズなんすよ。
そもそも私はあまりハリボーというお菓子を好む方ではないのですが、フィンランド人のメゾ・ソプラノ歌手を招聘したときのこと。成田空港でその歌手がなにやら黒い奇妙な物体を食べている。ジロジロ眺めていたら、おいしいぞ、食え、と言われました。
それが私の人生史上、最悪のお菓子体験だったのです。激マズ。ウゲーッ。こんなおいしいものはない、とパクパク食べるフィンランド人に強い疑惑の目を向けたことは今は昔である。
あ、念のためハリボーをご存じない方のためにお知らせしておきますと、こういうお菓子です。硬めのグミって感じですかね。いろんな味があります。
そして、上の画像にある、黒くてゼンマイみたいにぐるぐる巻になっているのが、黒いハリボー。なんと毒々しいことよ・・・・。実際に食べた人のレポートがありますが、これに私は賛同いたします。
日本人にとって真っ黒の食べ物といえば、イカ墨でしょうか。でも、イカスミだってそんなに沢山たべるものではないですね。あ、あと海苔が黒いね。海苔は、最近の寿司ブームとかで欧米人も食べるようになっていますが、気持ち悪いものとしてみられていたこともあるのだとか。15年ぐらい前にインド人に食べさせたら、別に美味しくもないしまずくもないね、と言われたのを憶えています。
しかしこの黒いハリボー、お菓子として売っているというのが信じられない。まずいなんて言うのは日本人ぐらいだ、とか言われますけど、私もその一人として名乗りを上げたい。積極的に名乗りを上げたい。
さて、フィンランド人にしてやられた私にはその後日談もございます。その翌年、イタリアに行った時のこと、ある人（日本人）に、これ知ってるか、自分はこれは結構好きだから、お前も食え、と言われまた食べて、またゲーッと思ったのでした。その時に出てきたのはハリボーではなく、もっとなまなましい、固形でした。これはもう、まずいなどというものではない。絶対に好きになることはないだろう。そういうきわめてまずい食べ物です。まずいまずいいってごめんなさい。だってまずいんだもの。
みなさんも、黒い渦巻をアーティストから勧められたら、ありがとう、今はいいや、とスマートにお断りすることをおすすめいたします。